人材採用に失敗しても「適任者」が見つかる“これだけの方法”:IT人材不足を打開する5つの対策【第3回】
適切なスキルを持った人材はどこにいて、どう探せばいいのか。ITコンサルティング企業の経験を基に、どのような求人の経路や人材の制度に目を向ければよいのかを紹介する。
深刻な人材不足の課題を抱えるIT部門は、適切なスキルを持つ人材を採用するためにどのような人材に目を向ければよいのか。本連載は、ITコンサルティング企業Nash Squaredとその系列企業で技術開発を担うNash Techのメンバーの経験を基に、スキルギャップ(仕事に必要なスキルと、従業員が持つスキルの差)や人材不足を解消するためのポイントを紹介する。第3回となる本稿は、「人材を見つける方法」の観点で考える。
4.トレーニングや再就職支援に目を向ける
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連載:IT人材不足を打開する5つの対策
多様な人材の採用と受け入れ側の取り組み
適切な人材が見つからない問題の原因は、人材が見つからないことではなく、人材を見つける方法にある場合がある。できる限り多様な情報源を持つことが重要だ。
企業によっては、大学院生の採用が鍵になることがある。16歳以上の人材が企業で実務経験を積みながら学び、給与を得る英国の人材育成制度「アプレンティスシップ制度」といった雇用の仕組みを利用することで、多様な人材を引き付けることもできる。これは、人生のどの段階にあっても、その人のスキルを評価して生かすという考えに基づいた制度だ。
自社に勤務していて、入社初期にIT部門でキャリアを積んだことがある従業員も見落としてはいけない。技術的な支援やスキルアップのための取り組みが必要になる場合もあるが、ITの分野で活躍できる人材が社内に隠れている可能性を捨てるべきではない。
ターゲットを絞って人材採用を支援する企業もある。例えば、英国のBlack Valleyは黒人技術者の採用活動を専門としている。Nash Squaredは2023年8月、人材の採用やトレーニング、トレーニング後の配属に関するプログラム「NextGen」を立ち上げた。同プログラムにはBlack Valleyも参加し、プログラムを支援している。出産や子育てを終えた母親や高齢の労働者といった特定の人材の復職に焦点を当てた求人サイトも存在する。人材市場でどのような人材が就業に向けて取り組んでいるのかを把握することも一つの手だ。
第4回は、社外の人的リソースを活用することに焦点を当てる。
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