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ネットワークの「QoS制御」や「自動化」はなぜ必要?クラウドに最適なネットワークとは【第4回】

ネットワークを流れるデータを流す順番や量をコントロールする「QoS制御」や、「自動化」はなぜ必要なのか。具体的な方法と共に解説する。

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 ネットワークにおける「QoS制御」(QoS:Quality of Service)では、帯域幅(回線容量)の有効利用のためにアプリケーションごとに帯域幅の利用に関する優先順位を付ける。これはネットワーク管理において重要な役割を果たす。

ネットワークのQoSを制御するには?

 QoS制御を実施することで、ネットワークが混雑しているときでも、重要なアプリケーションが必要な帯域幅を確保できるようになる。QoSを制御する利点には次のようなものがある。

  • 重要なアプリケーションやサービスのパフォーマンス向上
  • ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上
  • レイテンシやジッタなど遅延を示す指標の低減

 実際にQoSを制御するためには、オンプレミスだけでなくクラウドサービスのQoSを監視できるツールを選ぶ必要がある。世界各国に拠点がある企業は、コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)を利用することでQoSを改善できる可能性がある。

ネットワークの自動化とオーケストレーション

 ネットワークエンジニアとクラウドチームは、ネットワークの自動化とオーケストレーション用のツールを利用して、ネットワーク管理を合理化できる。

 初歩的な自動化ではネットワーク機器の構成や変更のデプロイ、プロビジョニング(設定)などのルーティン業務を、人手を介さずに実行する。複数のタスクを自動化するオーケストレーションツールを利用することで、チームの生産性を高められる可能性がある。生産性やアジリティ(俊敏性)の向上だけでなく、エラーを減少できる点も自動化のメリットだ。

 「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」といったクラウドサービス群には、基本的にリソースの構成管理や設定を自動化できるツールがある。もし、オンプレミスインフラとクラウドサービス群で使うツールを統一したいなら、以下のような候補がある。

  • Ansible
  • Chef
  • Puppet

 ただし、自動化はツールがあればできるというものではない。不用意に自動化すると、予期しないトラブルが生じることがある。そのため、次の点を注意すべきだ。

  • スモールスタート(小さく始める)
    • 自動化とオーケストレーションは簡単な作業ではないので、ネットワーク全体を自動化する前に、特定の問題を発見することが重要だ。
  • 定期的にテストする
    • 新しいネットワークスクリプトを本番環境に導入する前に、ステージング環境でテストすることが重要だ。
  • 監視して保守する
    • ネットワークスクリプトを導入した後は、期待通りに動作することを確認し、ネットワークの変更に常に応じられるようにメンテンナンスすることが重要だ。

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