いまさら聞けない「CDN」 Webサイトが“爆速”になる秘密とは:定番から応用までネットワークを学ぶ【第5回】
規模や用途に応じてさまざまなネットワークがある。Webコンテンツを高速配信することを目的としたネットワークの「CDN」について解説する。
ITにおいてネットワークは、不可欠な基盤だ。その規模は家庭内から世界各国まで、有線と無線に分かれて多岐にわたる。企業のネットワーク担当者は、多様なネットワークの特徴を理解することが重要だ。コンテンツ配信の高速化などが期待できる「CDN」(コンテンツデリバリーネットワーク)について解説する。
Webサイトを“爆速化”するネットワークとは
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連載:定番から応用までネットワークを学ぶ
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ネットワークは違いを明確に
CDNとはエンドユーザーに Webサイトやアプリケーションなどのコンテンツを効率よく配信するための仕組みであり、各地に分散するサーバ群が相互に連携し合うことによって構成するネットワークを指す。
CDNはエンドユーザーとサーバ間の物理的な距離を短縮することで、Webアプリケーションや動画ストリーミングなどのコンテンツの転送速度向上を基本的な目的とする。
CDNベンダーは、世界各地に「キャッシュサーバ」(代理サーバ)を配置している。キャッシュサーバにコンテンツを転送しておくことで、エンドユーザーがコンテンツの配信を要求した際、最寄りのキャッシュサーバからコンテンツを配信する。こうした仕組みにより、コンテンツを効率的に配信することが可能になる。
CDNを利用することで以下のメリットが期待できる。
- コンテンツの高速配信
- Webサイトのダウンタイムの削減
- セキュリティ強化
CDNの主なユースケースは次の通りだ。
- リッチメディアの配信
- CDNを使うことで、動画や音声などの要素を含んだリッチメディアの配信を効率化できる。リッチメディアを利用して何百万人ものユーザーがいるようなWebサイトやアプリケーションを利用する場合、CDNは欠かせないだろう
- ソフトウェア配信
- CDNはさまざまな地域にいるユーザーのためにソフトウェア配信を最適化する
- ソフトウェアをホストするサーバから遠く離れた場所にいるユーザーはダウンロード時間が長くなりやすいが、ユーザーがCDN経由でソフトウェアをダウンロードすると、最も近くにあるサーバからダウンロードされるため、ダウンロード速度が向上する可能性がある
近年はエンドユーザーの利用するデバイスや、サイト内の滞在時間などの行動パターンを分析して提供するCDNサービスもある。
次回は「VPN」(仮想プライベートネットワーク)について紹介する。
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