AI機能やCSPMなど3つの新機能を追加
Dynatraceが機能拡充を発表 監視にとどまらない「可観測性」の新機能とは?
Dynatraceは、2025年2月に米国で開催された年次イベントで発表した新機能に関する国内向け説明会を開催した。従来の運用監視の枠を超える新機能群が提供され、ツールのカバレッジが拡大した。
Dynatraceは2025年3月26日、オブザーバビリティ(可観測性)ツール「Dynatrace」の一連の機能強化を発表した。根本原因分析機能を含むAI(人工知能)エンジン「Davis AI」の大幅な機能強化を図る他、開発者にランタイムインサイトとトラブルシューティング機能を提供する「Observability for Developers」、クラウドセキュリティを強化する「CSPM」(Cloud Security Posture Management:クラウドセキュリティ態勢管理)機能を追加する。
監視にとどまらない「可観測性」の3つの新機能とは
今回の機能拡充は、米ネバダ州ラスベガスで2025年2月3~5日に開催されたDynatraceの年次イベント「Dynatrace PERFORM 2025」で発表されたものだ。新機能の詳細は次の通り。
Davis AIの機能強化
オブザーバビリティ製品と位置付けられるDynatraceは、AI技術を広範に活用してシステムの運用管理を支援する。中核となるDavis AIには、ログデータなどの過去の情報に基づいて将来予測をする「Predictive AI」(予測AI)に加え、同社の独自技術と位置付けられ、トポロジー情報に基づく依存関係から根本原因を自動的に特定する「Causal AI」(因果AI)、さらに自然言語によるやりとりを可能とする「Davis CoPilot Generative AI」(生成AI)の大きく3種のAIが含まれる。
今回のアップデートで予防的な運用を実現するAIOps(AIを活用したIT運用管理)機能が強化され、「AIによる問題の説明と復旧案の提示」や「AIによる予防的運用」が実現した。AI関連機能としては「AIのオブザーバビリティ」も提供されており、AIアプリケーションを見える化してインフラからAIアプリエーション、フロントエンドまでのエンドツーエンドのオブザーバビリティが提供される。
開発者向けのオブザーバビリティの強化
Observability for Developersでは、従来運用管理担当者向けに提供されてきたオブザーバビリティを開発者向けに拡張するという新たな取り組みが行われた。オブザーバビリティやその前身となった「APM」(Application Performance Monitoring:アプリケーションパフォーマンス監視)はアプリケーションの性能劣化などの際に状況を把握し、どこでどのような障害が発生しているのかを突き止めて解決するためのツールとして活用されるが、AIを活用したトラブルシューティングおよびデバッグ機能を拡張する新アプリケーション「Live Debugger」によって開発者は問題の再現や再デプロイなどを必要とせず、ランタイム環境からリアルタイムのインサイトにアクセスできるようになるという。より迅速に問題が解決されることが期待される。
クラウドセキュリティの強化
クラウドサービスなどでセキュリティ設定に不備がないかどうかを確認し、セキュリティ強化を支援するためのCSPMである「Dynatrace CSPM」により、セキュリティポートフォリオが拡大された。Dynatrace CSPMは既存の「Kubernetes Security Posture Management」(KSPM)の機能を拡張したもので、単一の統合プラットフォームを通じてクラウド全体のセキュリティ体制を管理できるようにする。
Dynatraceの強み
Dynatraceの代表執行役社長、徳永信二氏は同社のこれまでの歩みを紹介した。2005年にAPMベンダーとして創業した同社は、2016年に大きな転換点を迎えた。「ファンドが入り、過去のAPMの製品や技術をいったん置いて、全てを新たに作り直した」という。この刷新は同社の創業者兼CTO(最高技術責任者)のバーンド・グライフネーダー氏が主導し、同氏の戦略に基づいて製品を全て再構築した。その後日本市場には2021年に参入。徳永氏は2023年10月に代表執行役社長に就任し、国内での積極的な事業展開と体制強化を推進している。
同社の強みは前述の独自開発のCausal AIなどの技術面での独自性にあると言えるが、さらに同社のビジョンとして「ソフトウェアが完璧に動作する世界を実現する」というゴールを目指して製品開発を進めているという点も「監視製品」として開発されている他のオブザーバビリティ製品との違いだという。オブザーバビリティという用語も耳慣れたものとなりつつあり、市場での認知も拡大しつつある中、同社の独自性が市場でどのように評価されるかが興味深い。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
2
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
4
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
5
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
6
「IT運用・情報システム業務」に関するアンケート
-
7
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
8
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
9
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
10
被害額は過去最高額 それでも「サイバー犯罪者が捕まらない」3つの理由
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー