ITインフラの運用部門に向けて、生産性を高めるための方策を紹介する。アプリケーションの実行環境が分散する中で、「オブザーバビリティ」(可観測性)という考え方に注目が集まっている。
ITインフラと運用(I&O:Infrastructure and Operations)を担当する部門は困難な状況に置かれている。ITインフラの規模が拡大している一方で、その内部ではレガシーなシステムと現代的なシステムが混在している。I&O部門はそれらを共に運用しなければならないことに加えて、事業部門からは人工知能(AI)技術を利用したデータ分析を求められている。
I&O部門が事業部門により良いサービスを提供し、組織をサポートするには、以下の4つの分野にフォーカスすることが鍵になる。
I&Oにおける自動化とは、運用担当者の労力を軽減し、開発のサイクルタイム(工程開始から完了までの時間)を短縮し、正確で迅速な問題解決を促進し、サービスの品質と再現性を向上させるものでなければいけない。
自動化を成功させれば、さまざまな関係者に利益をもたらす。自動化を成功させるためには、計画を立て、戦略的に進める必要がある。思い付きによる断片的な取り組みではうまくいかない。
I&Oにおける監視と管理は、大きな変革期を迎えている。プロセスごとにインスタンス(仮想サーバ)が切り替わる分散環境において、現状を正しく可視化するには、新しいアプローチが必要だ。
そこで注目を浴びているのが、問題の検知だけでなく、問題の発生や解消に必要な情報まで可視化する「オブザーバビリティ」(可観測性)だ。オブザーバビリティが実現すれば、複数のコンポーネントやサービスが生成するログやテレメトリーデータ(監視や分析のために収集する、システム稼働状況に関するデータ)を1カ所に集約し、分析できる。迅速に、より正確な情報に基づいた、意思決定が可能になる。
オブザーバビリティを、アプリケーションパフォーマンス監視(APM)で実現するアプローチも有効だ。というのも、AI技術を取り入れたAPMは、アプリケーションだけでなく、ネットワークやデータベース、仮想化基盤など広範囲に可視化できるようになっているからだ。
I&O部門がAPMやオブザーバビリティツールを導入して、ユーザーエクスペリエンス(UX)を測定し、企業の生産性を高めようとする動きは広がっている。
後編は、I&O部門が取り組むべき方策のうち残り2点を紹介する。
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