“使えるIT技術者”確保の最後の手段2年の実践的実習で学位も取れる

小売業者のSainsbury’sは、各種開発言語、ビジネススキル、チーム開発などの実習を提供する計画を発表。IT技術者不足が常に取り沙汰される昨今、こうした動きは広がるのだろうか。

2016年07月12日 08時00分 公開
[Clare McDonaldComputer Weekly]

 小売業を営むSainsbury’sは、コーディングスキル習得を希望する個人を対象とする実習計画を発表した。応募資格としてコーディング経験は問わないが、学術資格レベル3以上、英語と数学でGCSE(訳注)のグレードC以上の取得が求められ、テクノロジーへの情熱を有することが条件になっている。

訳注:一般中等教育修了証(General Certificate of Secondary Education)。イングランド、ウェールズ、北アイルランドでは、義務教育修了時にGCSEを受験する。成績はA〜Gの「グレード」で評価される。

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 Sainsbury’sでデジタルおよびテクノロジー部門のディレクターを務めるジョン・ルドエ氏は次のように話している。「当社のデジタルおよびテクノロジーチームは、この1年で900人以上に成長した。今回の目的は、次世代のコーダーを発掘し、業務の中で素晴らしいチャンスとトレーニングを提供することだ」

 2年間の実習プログラムは、10人の合格者を選定した後、2016年夏に始まる。

 実習は、ロンドンにある Sainsbury’s Digital Labで行われる。実習生はそこでコーディングと開発の集中トレーニングを6週間受ける。その後、実習生はSainsbury’sのデジタルプロジェクトに加わり、2400万人の顧客や16万1000人のスタッフが関わるオンラインショッピングの技術改良に取り組む。

 10人の実習生は「Java」「PHP」「Python」「JavaScript」「Go言語」(Golang)などのプログラミング言語だけでなく、ビジネススキルやチーム開発、技術プロジェクトのライフサイクルについても習得する。2年間の実習が終わるころには、コーディングと開発に不可欠なスキル、ソフトウェア開発で学術資格レベル4を取得することになる。レベル4は学位に相当する資格だ。

 英国内に1200以上の直販店を構えるSainsbury’sは、この2年間デジタル化を推し進めている。

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