膨大な数のデバイスに影響
Bluetoothが危ない 背筋が凍る8つの脆弱性「BlueBorne」とは?
Bluetoothには8つの脆弱(ぜいじゃく)性があり、総称してBlueBorneと呼ぶ。専門家によれば、BlueBorneは膨大な数のデバイスに影響を及ぼし、深刻な問題を引き起こす恐れがあるという。
Bluetoothの一連の欠陥は、数十億台のデバイスを脆弱(ぜいじゃく)にする恐れがある。この欠陥を悪用する攻撃者は、被害者に一度も接触することなく標的のデバイスを完全に乗っ取ることができる。
エンタープライズIoTセキュリティ企業Armisの研究者は、Bluetoothの8つの脆弱性をまとめてBlueBorneと命名した。BlueBorneは、多くのWindowsデスクトップとLinuxデスクトップ、Androidスマートフォン、一部のiOSデバイスに影響する。さらには、増加の一途をたどるIoTデバイスにも影響を与えるといわれている。
Armisのブログには次のような記載がある。「標的デバイスが攻撃者のデバイスとペアリングされていなくても、さらにはデバイスが検出モードに設定されていなくても、攻撃が可能になる。当社の研究が示すように、これらの脆弱性は完全に悪用可能であるため、実行すれば成功する可能性が高い。BlueBorne攻撃ベクトルは、リモートコード実行や中間者攻撃など、さまざまな攻撃の実行に用いられる恐れがある」
BlueBorne攻撃の意味
情報セキュリティ企業Arctic Wolf Networksの共同設立者兼CEOのブライアン・ネスミス氏は、BlueBorneを「ユーザーに何も要求することなく広がる可能性がある非常に危険な攻撃」と称している。
「Bluetoothは誰もが利用しているため、使わないというのは不可能だ。インフルエンザと同じように、飛行機でウイルスに感染した人の隣に座っただけで、感染する恐れがある。症状に気付くころには、数百人に感染を広げているかもしれない。次に何が起きるかを想像するのはもっと恐ろしい。カフェでメールを送るためにデバイスを開くだけで、まだWi-Fiネットワークに接続してもいないのにランサムウェアがインストールされるという悪夢のようなシナリオも起こり得る。ユーザーは、いつどのような攻撃を受けているかまったく気付かないだろう」(ネスミス氏)
ArmisはBlueBorneの問題をMicrosoft、Google、Apple、Samsung Electronics、Linuxカーネルのセキュリティチームと、Linuxディストリビューションのセキュリティ連絡先リストに通知した。Armisによると、iOS 10ではこの問題が軽減されたため、それよりも前のバージョンを搭載するiOSデバイスのみが脆弱になる。2017年9月9日、BlueBorneの欠陥を修正するAndroidのセキュリティパッチがリリースされた。だが、このアップデートを受け取ったデバイスはまだほとんどない。
Armisによると、ほぼ全てのPC、モバイルデバイス、スマートTV、その他のIoTデバイスが、Bluetoothの脆弱性BlueBorneの「8つのうち少なくとも1つによってリスクにさらされている」という。使用しているBluetoothのバージョンには関係ない。専門家は、リスクにさらされているパッチ未適用のデバイスの数は50億台を超えると予測する。
Varonis Systemsでセキュリティエンジニアを務めるマイク・バックビー氏は、「攻撃の性質ではなく、急速に生活の一部となりつつある膨大な数のデバイスに影響を与えることからBlueBorneは非常に厄介だ」と話す。
「現在パッチ未適用のデバイスの多くは、今後何年もパッチが適用されず、脆弱なままだろう。一般ユーザーが自身のノートPCで最新のOSが実行されていることを確認するのは容易ではない。これにIoT対応のさまざまなデバイスが加わるため、全ての製品とシステムにパッチが適用されていることを確認するのはほぼ不可能だ。こうしたデバイスの多くはパッチを入手できないため特に厄介だ。攻撃側は今後もどんどんエクスプロイトを開発してIoTデバイスに侵入し、標的とするユーザーを偵察して、情報を盗み出し、さらにはユーザーの命を危険にさらすこともあるだろう」(バックビー氏)
Tripwireでセキュリティリサーチおよび開発部門のディレクターを務めるラマー・ベイリー氏は、脆弱性を軽減するための戦略が1つだけあるという。
「Bluetoothは、ノートPCから玄関ドアの鍵まで、あらゆる場所で使用されている。BlueBorneの脆弱性は、非常に広範囲に広がり、パッチがリリースされるまで数カ月後はかかるだろう。Bluetoothはオープンポートのように扱うべきだ。必要のないときは無効にする。Bluetoothキーボード、マウス、トラックパッドなどは無効にするのが難しいかもしれない。だが、銀行窓口のように従業員でない人物がシステムの十数メートル以内にいるような状況では、Bluetoothを使わず、有線入力デバイスを使用するのが最善だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[スパイスファクトリー株式会社] レガシーに消えるIT予算8割 「刷新か延命か」をAIと人で見極めるための手順 -
製品資料
[JetBrains s.r.o.] ソフトウェア開発は「コーディングエージェント」でどう変わるのか? -
事例
[テクバン株式会社] 太陽ホールディングスは国内外拠点の端末5000台をどう管理しているのか? -
事例
[株式会社キーエンス] PCが苦手でも自動化できる ポポラマーマなど4事例に学ぶ「ナビ搭載型RPA」活用 -
製品資料
[株式会社キーエンス] 自分ひとりでデスクワークを効率化 「AI&ナビ搭載RPA」で実践する業務自動化
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
Microsoft 365侵害企業の9割はMFA導入済み 1002人調査で見えた盲点
-
2
「GitLab」に最高深刻度の脆弱性 2014年以降の全版に影響を及ぼす恐れ
-
3
PHPはそもそも必要か? 脆弱性で問われる自社サイト安全性と保守負担のバランス
-
4
テザリングにも「限界」がある モバイルルーターを選んだ方がよい基準は?
-
5
Copilotを使うほど請求が膨らむ? Microsoftが仕掛けるAIエージェント課金
-
6
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
7
「プログラマー不要論」にThe Linux Foundationが示した答え
-
8
身代金110億円「史上最悪級のランサムウェア被害」を防げなかった理由
-
9
IDaaSの限界を超える一手 複雑な要件に応える「認証オーケストレーション」
-
10
AI時代のITインフラ変革 ネットワークの重要性と「予測をやめる投資」とは
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
3
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
4
10G回線の真価をフルに享受するには? 導入前にチェックしたいポイント
-
5
SCS評価制度時代の「SASE選定」ガイド
-
6
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
7
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
8
「EDR」選定ガイド:比較・検討フェーズで整理すべきポイントを解説
-
9
MDMだけでは防げない? Appleデバイスに潜む5つのセキュリティギャップ
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー