盛り上がりを見せるハイエンドスマートフォン市場
「Huawei Mate 10」「Mate 10 Pro」で分かったユーザーが“最強スマホ”に求めるスペック
Huaweiが発表した「Huawei Mate 10」と「Huawei Mate 10 Pro」は同社史上最も強力なデバイスだ。外観やカメラ、防水、AIとあらゆる機能を高水準で備えた本機を徹底レビューする。
Huawei Mate 10(以下、Mate 10)には5.9型QHD(1440×2560ピクセル)IPSディスプレイが搭載される。このアスペクト比は16:9だ。これに対し、Huawei Mate 10 Pro(以下、Mate 10 Pro)にはアスペクト比18:9の6型AMOLEDディスプレイが搭載される、この解像度は1080×2160ピクセルと若干低くなっている。6型のMate 10 Proは5.9型のMate 10よりも「わずかに大きい」だけだが、そのアスペクト比により、実サイズよりも大きく見える。デバイスの寸法はほとんど変わらないが、Mate 10 Proの方が多少スリムになっている。
Mate 10 Proは市場の最新動向を反映して、3.5ミリのオーディオジャックを装備していない。これはHuaweiでは初めてのことだ。Mate 10は3.5ミリのオーディオジャックを装備するため、有線のオーディオ機器を使っているユーザーはこちらのモデルの方がいいだろう。Mate 10 Proでは購入者の要望を受け、防水防塵(ぼうじん)機能を搭載してIP67認定を取得している。これはiPhone Xと同じだ。容量についてはMate 10はRAMが4GB、ストレージが64GBだが、Mate 10 ProはRAMが6GB、ストレージが128GBになっている。また、ボディーカラーのオプションも異なる。それ以外の点は両機種とも同じだ。「PORSCHE DESIGN HUAWEI Mate 10」はMate 10 Proのラグジュアリー版という位置付けで機能はほぼ同じだが、ボディーカラーが洗練されたブラックで、メモリストレージが256GBになっている点が異なる。
デバイスを特徴付けているデュアルカメラとチップセット
Mate 10シリーズの最新デバイスを特徴付けている点が3つある。1つはガラスと金属で仕上げた本体。もう1つは中国半導体メーカーのHisilicon Technologies製「Huawei 10 nm Kirin 970」(Kirin 970)チップセット。最後に第3世代Leica(ライカ)レンズ搭載の背面デュアルカメラだ。
Huaweiは、表面の仕上げとして前面と背面にガラスを採用している。背面は縦横に丸みを帯びており、人間工学に基づき、大型スマートフォンでも快適な握り心地を実現している。デバイスの縁取り部分は金属製だが、前面と背面のガラスとの接合部は非常に滑らかだ。Huaweiは、アスペクト比16:9の5.9型モデルでも、ディスプレイのベゼルを劇的に減らしている。これについて同社はドイツのミュンヘンで、両機種ともディスプレイと本体表面の比率がAppleの「iPhone X」よりも優れていると自賛していた。
両機種とも外観が素晴らしく、上部に仕上がっていて見分けるのが難しい。ひと目で違いを見分ける簡単な方法は、ディスプレイの下にホームキーがあるかどうかだ。Mate 10には指紋認証センサーも兼ねるホームキーがある。だが、Mate 10 Proにはホームキーがなく、指紋リーダーは背面カメラレンズの下にある。
Huaweiは9月のIFA(国際コンシューマーエレクトロニクス展)でKirin 970チップセットを発表した。ここで取り上げている2機種は、このチップセットを搭載する初のデバイスになる。GoogleのモバイルOS「Android 8.0」(コードネーム:Oreo)を完璧かつスムーズに動作させるパフォーマンスはともかく、このオクタコアチップセットとARMの「Mali-G72 MP12」グラフィックスの特徴は、NPU(ニューラルネットワークプロセッサユニット)を搭載する点だ。このNPUの仕事は、ハードウェアを利用して機械学習の速度を上げることだ。Huaweiはこの点を挙げてMate 10シリーズでのAIの応用が大きく進んでいると主張している。
このチップにより、Mate 10シリーズのスマートフォンソフトウェアは、ユーザーが何をしているか、何をするつもりなのかをユーザーから学び、スムーズに推測できるようになる。例えば、HuaweiはKirin 970が数百万もの写真に映る顔、物体、環境を認識する方法を「学習」できるようにしている。つまり、スマートフォンのカメラをリアルタイムで操作する際、実際の撮影前に、カメラは画面のどの部分に人物や特定の物体が存在し、周囲の環境がどのようになっているかを推測する。そして、画像をさらに美しく仕上げるために適切な撮影設定をユーザーに提案する。
AIもフル活用
同じ原理に基づいて、音声コマンドの学習、さまざまなアクセントの認識、音声の翻訳も可能になる。さらに、もっと便利なのは、カメラに映る外国語を翻訳する機能だ。撮影前に、実際の外国語の代わりに翻訳された文字が、ここでもリアルタイムに表示される。
このチップセットのその他の特徴として、電力効率が25%向上(Huawei代表者の主張)したことが挙げられる。その結果、両機種に搭載される4000mAhのバッテリーの持続時間が非常に長くなる。同社によると、再充電しないで丸2日間スマートフォンを利用できるという。また、Mate 10 ProモデルのデュアルSIMバージョンでは、LTE Cat 18/13対応の4G接続がサポートされる。Mate 10バージョンでも両方のSIMでLTE Cat 16の接続がサポートされる。
デュアルカメラが搭載するセンサーは、以前のMateモデルと変わらない。だが、第3世代Leicaレンズは絞り値f/1.6の高速レンズで、暗い場所でもきれいな写真を撮影できる。1200万画素のカラーセンサーは、光学式手振れ補正にも対応するようになった。一方自撮りカメラは800万画素だ。ミュンヘンでは、カメラが本当に優れているという結論を出せなかった。だが、Kirin 970が提供する撮影時のメリットと高速レンズを考慮すると、その画質はトップクラスのスマートフォンだといえる。
Mate 10、Mate 10 Pro、PORSCHE DESIGN HUAWEI Mate 10は、クリスマス前に世界各地で入手できるようになる予定で、11月中に発売されるだろう。現在公表されているヨーロッパでの価格は、Mate 10が699ユーロ(約9万2000円)、Mate 10 Proが799ユーロ(約10万6000円)、PORSCHE DESIGN HUAWEI Mate 10が1349ユーロ(約17万9000円)となっている。
注:本稿の価格はドイツでのHuawei発表会「Huawei Mate 10 Global Launch」での発表内容を参考にしている。
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