どのようなデータを扱うのか?
SharePoint Server環境でコンプライアンス要件に対応するには
SharePoint Serverの採用を考えているITマネジャーは、このコラボレーションツールが社内のコンプライアンスに与える影響についても検討すべきだ。
Microsoft Office SharePoint Server(以下、SharePoint)は、企業におけるドキュメントや知識の共有、メトリックの作成、分散したさまざまなチームメンバーによる効果的な共同作業を支援するコラボレーションツールの1つだ。
SharePointの採用を考えているITマネジャーは、このツールが社内のコンプライアンスに与える影響も検討すべきだ。
まずはコンプライアンス要件を念頭に置きながら、SharePointをどのように利用するかを明確にしなければならない。例えば、ビジネスの意思決定やビジネストランザクションの処理に使われるスプレッドシートの共有/更新にSharePointを利用するのか。ビジネスの意思決定を行うためのメトリックやそのほかの情報の作成に利用するのか。データのバックアップリポジトリとして利用するのか。
上記のいずれかに当てはまるなら、コンプライアンスの問題に取り組むことが必要になる。
また、Windows環境を管理するITマネジャーは、個人を特定可能な情報(Personally Identifiable Information:PII)や会計情報、知的財産、ミッションクリティカルな情報を、SharePointに保存するかどうかも検討しなければならない。PIIや機密データをこうしたコラボレーションシステムに格納するのは、必ずしも賢明ではない。しかし、もしそうする必要が生じたら、こうした情報のセキュリティを適切に確保することが不可欠となる。
SharePointの配置
SharePointをどのようにセットアップするかを決めたら、ITマネジャーは、SharePointをどこに配置するか、誰が利用するかを考えなければならない。SharePointの配置場所としては以下の選択肢がある。
- 企業ネットワーク内
- インターネット上のサーバ
- アウトソーシングベンダーが管理するホスト
SharePointをインターネット上のサーバに配置する場合、セキュリティ管理レイヤーを追加する必要がある。また、SharePointがアウトソーシングベンダーのサイトでホストされる場合には、ITマネジャーは、ベンダーが適切な管理体制を整えていることを確認するだけでなく、実施されるべきセキュリティ対策が契約に詳しく明記されるようにしなければならない。
SharePointをどのように利用するか、どこに配置するかを決めたら、ITマネジャーは、SharePointプラットフォームの利用がコンプライアンスに与える影響を検討しなければならない。SharePointが社内で、さらにビジネスパートナーや顧客との間で、どのように利用されるかを考える必要がある。
ITマネジャーがSharePoint環境で対応しなければならないほとんどの法律、規制、業界基準、契約条項、ポリシーに共通に当てはまるコンプライアンス要件として、以下のようなものがある。
- 認証の要求:責任を発生させる
- PIIへのアクセス制限:データの機密性、完全性、正確性の維持を支援する
- PIIへのアクセスログの記録:責任管理をサポートし、データ関連の調査が必要になった場合に証拠を提供する
- データ保持:データを必要な期間だけ保存し、不要になったら処分する
SharePointのコンプライアンス要件への対応
Windows管理者が幅広いコンプライアンス要件に対応する方法として、以下の4つがある。
1. 認証管理を集中化する
SharePointにより、Windows管理者は認証要求を処理できる。SharePointをこの処理に利用する場合、管理者は、SharePointリソースに対する認証の確立と削除の手続きを設けるとともに、認証管理を集中化しなければならない。
2. SharePointリソースへのアクセスを制限する
ほとんどの法律や規制、業界基準は、特定のタイプの情報へのアクセスをビジネス上その必要がある個人や定義済みロールにのみ許可することを要求している。SharePointサイトの多くは、ユーザーベースのアクセスとバージョン管理を採用している。管理者がフロントエンドアプリケーションを使ってSharePointサイトにアクセスする場合は、アクセスをデフォルトでは完全に禁止し、サイトに直接アクセスするパーミッションを管理者だけに割り当てる。また、既存のファイアウォールを利用して、SharePointリソースへのアクセス制御を強化する。
3. SharePointリソースへのアクセスログを記録する
少なくとも、PIIと財務データに対する読み取り、書き込み、更新のアクセスログを記録する。さらに、SharePointに保存されたネットワークアーキテクチャドキュメント、通話記録、電子メールメッセージなど、ビジネスの意思決定に関連するすべてのリソースへのアクセスログを記録することも検討する。また、監査ログ自体へのアクセスログは必ず記録しなければならない。
4. データをビジネスに必要な期間だけ保持する
何をキャッシュに保持するか、誰がキャッシュにアクセスできるようにするかを慎重に検討する。キャッシュにはPIIや財務データが含まれることがある。こうした情報についてはセキュリティを確保しなければならないため、情報がビジネスで必要とされる間だけ保存されるようにキャッシュプロファイルを構成する。
以上がSharePoint環境でコンプライアンス要件に対応するための主なポイントだ。ほとんどの企業では、これらのことを実行すれば要件の80~85%に対応できるだろう。
SharePoint環境の最新のコンプライアンス要件をすべて把握し、必要な手を打っていくためには、ITマネジャーと管理者は、情報セキュリティおよびコンプライアンスの担当チームと常に密接なコミュニケーションを取っていかなければならない。
本稿筆者のレベッカ・エロルド氏はCISSP、CISA、CISM、CIPP、FLMIの資格を持ち、IT、情報セキュリティ、プライバシー、コンプライアンスの分野で17年以上の経験がある。現在はRebecca Herold LLCのオーナー兼代表。ノーウィッチ大学の情報保証専攻修士課程の非常勤教授も務めている。
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