Ask the Expert
【Q&A】顧客の信頼を獲得するための2大要素
何か売りつけようという姿勢が透けて見えたり、顧客の要求に的確に答えられなければ、信頼は得られない。
質問:顧客が企業に寄せる信頼の程度は、主にどのような要因に左右されるでしょうか。
顧客との信頼を築く基本的な要素は2つある。まず第1に、その企業の意図するところが顧客に損害を及ぼさない、または顧客のためになるものであると信じてもらえること。第2に、その意図に従って行動できる能力と力量を持った企業だと信じてもらえることだ。
この2つの要素を1つにまとめ、「The Trusted Advisor」の筆者であるチャールズ・グリーン氏は、自己利益追求指向が高いと顧客に思われる企業ほど、信頼してもらえなくなると指摘している。言い換えれば、顧客に何かを売りつけるという目標の達成を単純に目指す姿勢が透けて見えれば、顧客の信頼は得られない。顧客はその姿勢に応じて買ってくれるかもしれないし買ってくれないかもしれないが、その決定は顧客が自分で下すものになる。なぜなら顧客は、その企業の助言は信用できず、自己利益追求に偏っていると判断しているからだ。この理由で、顧客が何かを買おうと決めている場合でも、その顧客にはその商品やサービスは本来必要ないと判断できる場合に、「それは買わない方がいい」と助言すると、企業に対する顧客の信頼度は高まる。例えばAmazonで、以前買ったことのある書籍(またはほかの商品)を買おうとすると、あなたはもうその商品を買っていますと教えてくれ、「本当にもう1つ購入しますか?」と尋ねてくれる。顧客サービスで定評のある直販保険会社USAAでは、顧客が新居のための保険を契約する準備がすべて整ったところで、実際にはそれほどの額は必要ないと同社が判断すれば(例えば40万ドルの住宅のうち10万ドルは土地の値段であって建物の値段ではないなど)、顧客が必要だと思っていた保険料よりも安く済むと教えてくれる。
明らかに顧客は、コミュニケーションと行動からその企業の意図を判断している。とにかく売ろうという意図であれば、とにかく買えという姿勢が伝わり、信頼は獲得できない。顧客は離れていても、もうけ主義の気配を察知できる。
しかし顧客の信頼獲得のための2つ目に大きな要素は能力だ。素晴らしく顧客寄りの意図を持っていたとしても、その意図に従って行動するのに必要な能力やビジネススキルはあるのか。「お客様は神様です」と宣言したところで、注文状況を顧客に知らせるシステムがなかったり、コールセンターの担当者が研修不足で顧客が本当に必要としている情報を提供する手助けができなければ意味はない。顧客が以前提供した情報についてまた尋ねるたびに、信頼は損なわれていく。粗悪な製品やサービス、いいかげんな修理、性能の悪さ、間違った請求書などと一緒に、信頼も損なわれるのだ。
従って、顧客の信頼を獲得するためには次の2点が必要だ。
- 顧客のために行動する
- ビジネスの基本を抑える
この2つはどちらかを満たせばいいというものではなく、両方を満たす必要がある。
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