Google Apps監視から得た教訓
Google──Webセキュリティ管理の複雑さと向き合う挑戦者
GoogleがGoogle Appsの監視プロセスを通じて得た教訓を踏まえて行っているセキュリティ対策の指針は、ほとんどの企業にとって有効なものだ。
セキュリティ脅威の特性と範囲がここ数年で著しく変わってきており、企業のセキュリティ担当者は対応に苦労している。Googleの担当者も例外ではなく、Webセキュリティの新たな状況に適応しようと奮闘している。
Googleは、現在の企業コンピューティング環境に浸透しているインターネット文化から生まれたが、オンライン脅威の特性と、それらの脅威が自社の顧客や広範なインターネットコミュニティーに与える影響を理解しようと常に努力していると、同社のエンタープライズセキュリティ・コンプライアンスディレクター、スコット・ペトリー氏は語った。Googleが人々のWebの使い方に決定的な影響を与えたのは確かだが、同社もオンラインコンピューティングにつきまとう複雑さから無縁ではいられない。
「ネットの世界は非常にブラックボックス的であることが分かっている」とペトリー氏は話す。「われわれは考え方を変えなければならない。『ネットの世界はブラックボックスであり、一部の脅威はわれわれにとって未知の存在であること』『われわれは、次々に現れる変化や脅威に対応できなければならないこと』を前提としたセキュリティ意識を持たなければならない。われわれは、自分が何を知らないかということを知らない。すべてのGoogleアプリケーションを包含するホワイトボックスを定義することはできない」
Googleがこうした環境を把握するために行っていることの1つが、同社のオンラインアプリケーション「Google Apps」をユーザーがどのように使っているかを監視することだ。Google Appsにはワープロ、表計算、PowerPointに似たプレゼンテーションなどのアプリケーションが含まれている。これらのアプリケーションでは、ユーザーのすべてのデータがオンラインでホスティングされ、ユーザーはドキュメントを社内外のほぼ誰とでも共有できる。しかし、これらのアプリケーションはオンライン上に存在するため、既知および未知のアプリケーションレベルの攻撃やWeb脅威にさらされる恐れがある。このため、セキュリティが通常以上に厄介な問題になる。
Googleがこの監視プロセスを通じて得た教訓を踏まえて行っているセキュリティ対策の指針は、ほとんどの企業にとって有効なものだ。例えば、GoogleがGoogle Appsと社内アプリケーションのセキュリティを確保する上で目指しているのは、ユーザーがしたいことをできるようにすることであり、それらを禁止することではない。既知の悪意あるWebサイトを訪問しようとするユーザーへの警告や、パスワード管理ツールのメカニズムは、操作をあまり妨げずにユーザーがより簡単かつ安全にWebを使えるようにすることを目的としている。
「Googleは、『すべきこと』と『すべきでないこと』をユーザーに指示する企業にはなりたくないと考えている」とペトリー氏。「われわれは、ユーザーがインターネットを安全に使う手助けをするために、並々ならぬエネルギーを注いでいる。どうすればユーザーに安全な体験を用意できるかということに知恵を絞っている。われわれのビジネスは、提供するものの質に支えられているからだ」
ペトリー氏は、ITセキュリティ担当者は自社のセキュリティ対策の在り方を振り返り、どうすれば高いセキュリティを維持しながら、よりオープンで満足のいく体験をユーザーに提供できるのかを検討するべきだと指摘した。
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