ソフト開発のコラボレーションに威力
Skytapの仮想ラボに見るクラウドサービスの利便性
Skytapがリリースした開発者向けコラボレーション・クラウド管理ツールは、最新機能によりコラボレーションプロセスが大幅に簡素化された。
テスト・開発用のクラウド型仮想ラボを提供する米Skytapは先ごろ、同社の高価なクラウドサービスをクラウド大手のRackspaceやAmazon Web Services(AWS)の安価なサービスと差別化することを目指し、一連の開発者向けコラボレーション・クラウド管理ツールをリリースした。
これらの新ツールでは、特殊なダッシュボードからユーザーやコンピューティングリソースの管理機能にアクセスできるようになっている。複数の開発者がこのダッシュボードにより、Skytapのクラウド上にあるテスト環境の共有、トラブルシューティング、変更をリモートから同時に行える。
これまでのところ、Skytapの新ツールは好評を得ている。
「わたしは北京のチームに業務を委託している。わたしの会社のオフィスはサンフランシスコのベイエリアにある」と、モーゲージソフトウェアを提供するEllie Maeの品質保証(QA)ディレクター、ロン・ユン氏は語った。北京のチームが働いている間は同氏は寝ており、同氏が働いている間は北京のチームは寝ている。しかし、Skytapのツールの最新機能のおかげで、コラボレーションプロセスが大幅に簡素化されたという。
5月にSkytapのサービスに加入する前は、ユン氏は開発のアウトソーシングでおなじみのスケジュールに従っていた。Ellie MaeのITラボはベイエリアにあり、業務委託先のITラボは北京にあった。ユン氏と北京の開発責任者は電子メールをやりとりしながらプロジェクトを進めていった。大きな変更を行うには数日間かかっていた。
ユン氏はSkytap Projectsを利用して“仮想データセンター”を構築した。この仮想データセンターは同氏が管理しており、北京のプログラマーがこれを使って仮想環境を起動、停止して、Ellie Maeのソフトウェアを各種のプラットフォームでテストしている。ユン氏は、新ツールにより、同氏の勤務時間外に進んだプロジェクトの動きを即座に把握し、チェックできると語った。
「北京の2人の担当者は、エディターとして権限を与えられている」と同氏。これらの特権ユーザーは、ユン氏がカリフォルニアから見ているときに、仮想マシン(VM)を立ち上げて問題を再現できる。また、これらのユーザーは、米国のチームが仕事を終えて帰宅した後、入れ代わりに自分たちの就業時間にプロジェクトをそのまま引き継いで作業を進めることもできる。これはリリースが迫っているときに便利だと、同氏は語った。
また、ユン氏は、Skytapのようなサービスを使うことによる利便性は、アカウンタビリティーや透明性が損なわれるなどのデメリットを上回ると語った。同氏は、確かに分かっているわけではないものの、Skytapがワシントン州のデータセンターで、ハードウェアやソフトウェアのアップグレードを着実に行っていると、かなり確信している。ユン氏が利用し始めて以来、Skytapのサービスは1回しかダウンしていないという。
ユン氏によると、同氏のQAニーズはシンプルなものだ。同氏はサービスのアップタイムや完全性にはあまりこだわっていない。同氏にとって肝心なのは、何が起こっているかを追跡できることと、アップデートソフトウェアや新機能の提供が早期に行われることだ。例えば同氏は、Windows 7がβ版の早い段階からテストに利用できたことに満足したという。
それでも、ユン氏は、Ellie MaeがSkytapやそのほかのクラウドサービスを本番運用に使用することは、当面はないと考えている。「こうしたサービスは、あまり実環境として整備されていない。この用途への展開が次の大きな波になると思う」と同氏は指摘した。さらに同氏は、Ellie Maeはクラウドサービスに非常に関心を持っているが、同氏の部門のITスタッフが、信頼性が実証されていることを確認することが、このサービスを本番運用に使う前提になると語った。
「データセンターのコストは、われわれの会社にとって極めて大きい」とユン氏。だが、クラウドコンピューティングが同社に役立つ分野は、今のところQAやテスト、開発に限られるという。
Skytapのプロダクト管理担当シニアディレクター、イアン・ノックス氏は、当社は今後も、テストや開発、研修などのための短期的な利用に適した環境に注力すると語った。
ノックス氏によると、先ごろリリースされた新ツールは、Skytapの月額料金に含まれる。基本料金は、1Tバイトのストレージと所定のCPU時間を含めて月額500ドルからとされている。
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