脆弱性診断やコンサルティングの拡充が進む
最新トレンドが分かる! マネージドセキュリティサービス
セキュリティ製品の導入や運用を外部委託できる「マネージドセキュリティサービス」。その最新トレンドや選定のポイントを紹介する。
ファイアウォールをはじめとする情報セキュリティ製品の導入や遠隔管理、ログ分析などを外部委託できる「マネージドセキュリティサービス」。セキュリティ製品の運用負荷を軽減したり、セキュリティ専門家の分析力を利用できるなどのメリットがある。
本稿は、マネージドセキュリティサービスの市場動向や最新トレンド、選定のポイントをまとめた。
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市場動向:東証も利用、マネージドセキュリティサービス市場は拡大
「ユーザー企業が自前で全てのセキュリティ製品を運用管理できる時代ではなくなった」――。マネージドセキュリティサービス市場に詳しい、IDC Japanのリサーチマネージャーである川上晶子氏はこう話す。
標的型攻撃などの新しい脅威は次々と発生しており、攻撃手法やその対策に関する知識を習得し続けるのは難しい。セキュリティ製品を導入すればするほど運用負荷が増大するという課題もある。こうした背景から、マネージドセキュリティサービスの利用に動くユーザー企業が増えているという。
IDC Japanが2011年4月に実施した「2011年 国内マネージドサービス利用企業ユーザー調査」の結果によると、ファイアウォールやゲートウェイ型アンチウイルス製品などについては3割を超えるユーザー企業がマネージドセキュリティサービスを利用している。
東京証券取引所の他、金融機関、官公庁などもセキュリティ製品の運用管理の負荷軽減を理由にマネージドセキュリティサービスを利用し始めるなど、利用企業は増加傾向にあると川上氏は指摘する。
サービスのトレンド(1):引き合いが1年で10倍増、「脆弱性診断」に注目
マネージドセキュリティサービス事業者各社はセキュリティ製品の運用管理に加え、セキュリティ対策の支援の幅を広げるべくサービスメニューを拡充している。
各社が注力する分野の1つが、Webサーバなどの脆弱性診断である。脆弱性を悪用した不正アクセスの多発を受けて、脆弱性対策を見直す動きが活発化したことが背景にある。
川上氏は、「脆弱性診断に対するユーザー企業からの引き合いが、2010年度から2011年度で10倍近く増加した事業者もある」と明かす。ユーザー企業ごとの診断回数も増えており、一般的には年に1、2回程度のところ、1カ月に1回実施するユーザー企業も現れているという。
サービスのトレンド(2):コンサルティングや教育メニューが充実
情報セキュリティに関するコンサルティングやユーザー教育を拡充するのも最近の動きだ。セキュリティ対策を進める際に何から手を付ければよいか分からなかったり、従業員のセキュリティ意識が向上しないことに悩むユーザー企業が増加していることが背景にあるという。
今後の方向性(1):ログ解析の強化が進む
マネージドセキュリティサービスの利点の1つは、セキュリティの専門知識を持ったスタッフによるログ分析だ。マネージドセキュリティサービス事業者各社は、ログ分析の強化に動くだろうと川上氏は指摘する。「事業者各社はパターンマッチングなどの従来型の分析手法から、ログの相関分析などで攻撃の予兆を捉える分析手法に移行しようとしている」
具体的には、ログの相関分析が可能なSIEM(Security Information and Event Management)などのセキュリティ製品を使った分析サービスをメニュー化する動きが進むと考えられる。
今後の方向性(2):スマートフォン向けサービスの拡充
スマートフォンなどのモバイル端末向けサービスの拡充も進むだろうと川上氏は見る。
マネージドセキュリティサービスの一環としてモバイルデバイス管理(MDM)のサービスメニューを提供する動きもある。例えばNRIセキュアテクノロジーズは、同社のマネージドセキュリティサービスで提供するVPN機器のログ監視サービスとMDMを組み合わせたサービスを提供している。スマートフォンの盗難・紛失時からリモートワイプ実行までに収集したVPN機器のログをセキュリティ専門家が解析。スマートフォンを使ったLANへの不正アクセスの有無を確認する。
サービス選定のポイント:事業者の種類ごとの強みを理解する
マネージドセキュリティサービスを提供するのは、通信事業者やセキュリティサービス事業者、セキュリティ製品のベンダーやなど多岐にわたる。サービス事業者の業種によって異なる強みを理解してサービスを選択することが大切だと川上氏は語る。
事業者の種類によって異なる強みの例として、川上氏は以下の点を挙げる。
- 通信事業者:ユーザー企業のLANに限らずインターネットや閉域網など幅広いログを取得できる立場にいるため、ネットワークに存在する脅威を素早く検出できる可能性がある
- セキュリティサービス事業者:多数のセキュリティ専門家による分析力を売りにしているケースが多く、ログや脆弱性分析に重きを置く場合に適する
- ベンダー:自社の製品に関する知識が豊富なので、自社が導入するセキュリティ製品のベンダーがマネージドセキュリティサービスを提供している場合に有力な選択肢となる
TechTargetジャパンは、マネージドセキュリティサービスのサービス内容の比較記事を掲載予定だ。
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