病院向け電子カルテ製品紹介:京セラ丸善システムインテグレーション
精神科特有の業務の効率化を支援する電子カルテ「MEDIC EHR/P Ver.5」
京セラ丸善システムインテグレーションが2013年6月に販売開始した「MEDIC EHR/P Ver.5」は、精神科特有の業務の効率化を支援することで、精神科のチーム医療の促進を実現する電子カルテシステムだ。
医療・介護施設向けのITソリューションを手掛ける、京セラ丸善システムインテグレーション(以下、KMSI)は、2008年から精神科病院向け電子カルテシステム「MEDIC EHR/P」を提供してきた。2013年6月、その最新版となる「MEDIC EHR/P Ver.5」(以下、EHR/P V5)の販売を開始した。
KMSI 本社営業本部 医療営業部 部長、岩下政敬氏は「EHR/P V5は、医師や看護師、コメディカルなどの業務や思考の流れを妨げることなく、誰もが使いこなせる操作性を追求した“精神科のチーム医療を支援する”システム」と説明する。また、岩下氏はEHR/P V5の特長として以下の3点を挙げる。
- 直感的な操作性とシンプルな画面設計
- 精神科に特化した機能の充実
- 拡張性のあるインタフェース
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紙カルテの閲覧性の高さを再現
岩下氏は「豊富な機能を提供する電子カルテもあるが、機能面よりも重要なのは医師の思考を妨げないこと」と語る。精神科の診察では患者の表情や動作、態度を注意深く観察する必要があるため、電子カルテ画面ばかりを見ると適切に診断できない。そこで、EHR/P V5では「医師の思考を妨げず、直感的に操作できることを目指した」と説明する。
EHR/P V5の診療記録画面は、患者の基本情報から現在の状態、診療履歴など診療に必要な情報を一目で把握できるように項目を配置(画面1)。また、何度も画面を切り替えることなく、直感的に記事入力や情報参照などができるように工夫したという。
長期にわたる患者情報を一覧表示する「患者年表」機能
また、EHR/P V5の患者情報の参照画面では「+」「―」で展開する折りたたみ方式を採用。患者の基本情報や家族構成、発症例、生体グラフ、薬の服用状況、食事の状況、検査値などの情報を一画面に集約して把握できる(画面2)。
長期にわたり治療を継続する患者がいる精神科では患者のカルテ情報は膨大な量になる。「紙カルテでは文字、紙の折り目やシミなどで患者状態などを思い出すこともあるが、電子カルテではそれができない」(岩下氏)
そのため、EHR/P V5では、過去の処置や看護師の報告などを色分け表示するカレンダーなどの「患者年表」(年/月単位)機能を搭載(画面3)。生活歴や過去の治療情報など患者の背景を表す情報を参照して患者を思い出すことに役立てたり、診療につなげたりすることが可能だ。
個別対応に即した入力の簡素化を実現
多くの電子カルテが入力支援機能として、定型化された診断や処方の内容を登録して一括入力できる「Do処方」機能を備えている。EHR/P V5でも、処方やオーダーごとにセット登録したり、他の医師も共通して登録された処方やオーダーを確認/変更できる機能を提供する。
しかし「同じ病名でも、患者ごとに処方は全く異なる。また、日々の状態によって同じ患者でも処方量が変わることもある」(岩下氏)。例えば、精神科では1日の服薬量を不均等で処方するが、通常の電子カルテの機能では難しいという。EHR/P V5では、Do処方の登録内容をより細かく設定できるカスタマイズ機能を付けることで、個別対応における入力の簡素化を図っている。
精神科特有の業務の効率化を支援
EHR/P V5では、精神科特有の業務の支援機能を強化した。「ルーチンワークや文書管理、預かり金の情報管理などの機能を提供することで、精神科特有のワークフロー業務を効率化し、チーム医療の推進を実現する」(岩下氏)
作成文書の進捗状況や作成期限を管理する「文書管理」機能
他の診療科と比べて、精神科病院では作成する文書が多い傾向がある。EHR/P V5は、文書の作成期限の管理や次回作成時期の通知機能などを備えた「文書管理」機能を搭載し、一連の作業を支援する。
例えば、文書を作成する必要がある診療行為を行うとその文書を自動的に管理画面でリストアップする。文書管理画面では、文書作成のタスク状況や作成期限などを一覧表示して管理。また、定期的に作成する文書については、作成時期が近づくと自動的に画面にリストアップする。
チーム内の情報共有に役立つ「カンファレンス支援」機能
EHR/P V5では、医師や看護師、作業療法士など各部門の治療計画や実施内容、評価結果を単一の画面で管理する。医師や看護、検査、薬局などのスタッフがそれぞれ実施内容を入力する。また、カンファレンスのまとめや患者の状態、今後の方針などの情報共有に役立つ「カンファレンス支援」機能を利用できる(画面5)。
患者のお小遣いなどを管理する「預かり金管理」機能
「預かり金管理」機能では、入院患者のお小遣いや医療費以外の支出に関する入金処理や出金申請、出金処理などを行う。患者個別台帳からの一括入力や、連続入力などの出金処理が可能。入力された内容を預かり金帳票などに出力する。
来院前の記録も統合する「相談室」機能
診察以前に行うPSW(精神保健福祉士)と患者との相談も、精神科特有の業務の1つだ。「相談室では心身の問題に関わることが話され、その後の来院時には貴重な情報となる」(岩下氏)。そのため、EHR/P V5では「相談記録」機能によって、入院中の患者の記録だけでなく来院前の相談内容を登録でき、来院後は患者カルテにその情報を統合する機能を備えている。また、相談内容に「タグ」を付けることで、指定期間や相談種類などで記録を検索することも可能だ。
介護包括型連携を視野に最新のWeb技術を採用
従来のバージョンはクライアント/サーバ型のシステム構成だったが、EHR/P V5では標準規格に対応したWebベースのシステム構成に刷新した。汎用のWebブラウザだけでなく、タブレットや組み込み用Webブラウザでも利用できる。
岩下氏によると「他にもWebベースの電子カルテはあるが、クライアント端末にソフトウェアをインストールしたり、cookieが必要になるなどシステムに束縛される部分がある。EHR/P V5は多様なデバイスに対応する最新のWeb技術を採用したことで、特定のアプリケーションやPC環境に依存しない。地域医療連携や介護との連携も可能な情報共有の仕組みを目指している」という(関連記事:LINE感覚で使える医療・介護専用SNS「メディカルケアステーション」)。
KMSIは全国12営業所にシステムエンジニアやネットワーク技術者などを配置。同社がワンストップでサポートする体制を整えている。今後は、EHR/P V5導入施設のフィードバックを基にその充実度を高めるという。また、訪問看護や介護などとの連携など“予防医療”を見据えた「介護の現場でも使える電子カルテの開発」を視野に入れている。特に特別養護老人ホームや介護老人保健施設、訪問歯科などを併設する精神科病院での導入を目指す。
| 機能群 | 概要 | |
|---|---|---|
| 電子カルテシステム導入時 | 診療記録、看護支援、服薬指導、栄養指導、訪問看護、PSW支援、デイケア、精神科作業療法、集団精神療法、患者評価、カウンセリング、SST(社会生活技能訓練)、リハビリ、相談室 | |
| オーダリングシステム導入時 | 基本機能 | 患者プロファイル、患者グループ管理、オーダー管理、オーダー印刷、外来受付、特記連絡、処方オーダー、入院・移動・給食、病棟マップ、検査結果管理(選択オーダーのみ)、調剤(処方のみ)インタフェース、医事会計インタフェース |
| 基本オーダー | 病名オーダー、注射オーダー、検体検査オーダー、細菌検査オーダー、病理検査オーダー、生理検査オーダー、処置オーダー、画像オーダー(X線、MRI、CT)、汎用オーダー、文字オーダー、事前指示オーダー、服薬指導オーダー、栄養指導オーダー、訪問看護オーダー、リハビリオーダー、診察予約、文書作成支援(紹介状など含む) | |
| 精神科オーダー | 行動制限オーダー、心理検査オーダー、ECT(電気けいれん療法)オーダー、デイケアオーダー、精神科作業療法オーダー、集団精神療法オーダー、カウンセリングオーダー、SSTオーダー | |
| パッケージオプション | 処方チェック、データウェアハウス、預かり金、インシデント管理、複数施設対応(サテライト・社会復帰施設など)、隔離観察チェック、看護診断、精神科統計(630統計))(※1)、クリニカルパス+カンファレンス(※1)、看護支援(※2)、CP(クロルプロマジン)換算(※2) | |
(※1)電子カルテの場合のみ選択可、(※2)オーダリングの場合のみ選択可(電子カルテには標準装備)
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