紙カルテから電子カルテへの移行は、その導入時期を熟慮すべし【連載コラム】医療ITの現場から

これまで紙カルテで運用していた診療所が新たに電子カルテを導入する場合、その導入準備期間は新規開業の場合よりも1、2カ月は長めに見ておいた方がいい。その理由を解説する。

2011年10月17日 09時00分 公開
[大西大輔,メディキャスト]

 新規開業時に導入する場合とは異なり、既に開業している診療所の電子カルテ導入には幾つかの注意点があります。まず「日々行われている業務の流れが大幅に変わってしまう」こと、「電子カルテを導入しても、過去の紙カルテやフィルムが残る」こと、「既存のレセプトコンピュータ(以下、レセコン)からのデータ移行が生じる」ことなどです。

1.既存レセコンからのデータ移行

 レセコンは電子カルテよりも導入率が高いITシステムです(関連記事:前年比2倍以上の普及率、レセプト請求オンライン化の現状)。既存の診療所ではレセコンを既に導入しているケースが多いでしょう。その場合、既存のレセコンと新しく購入する電子カルテとの連携に注意する必要があります。2つのシステムのデータ連携が可能な条件として、現在は「レセコンと電子カルテが同じメーカー」であり、「電子カルテとの接続が可能な比較的新しいバージョンのレセコン」であることが必須条件となります。そのため、新たに電子カルテを導入する場合、既存のレセコンを廃棄してリプレースしなければならない可能性もあります。

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