コミュニケーションツールとしての電子カルテ活用【連載コラム】医療ITの現場から

「患者の顔が見られなくなる」「過去の診療歴をさかのぼっても記憶がよみがえりにくい」など、電子カルテには否定的な意見がある。紙カルテと電子カルテ、それぞれの良さを考えてみよう。

2011年09月26日 09時00分 公開
[大西大輔,メディキャスト]

 「電子カルテを導入すると、患者の顔を見られなくなる」という話を聞きます。これは、医師が電子カルテの入力に必死になるあまり、画面ばかりを見てしまって患者を顧みなくなることを意味しています。しかし、こうした現象は電子カルテの普及初期に多く見られたことです。電子カルテの普及が進み、診察現場の様相は変化しています。

 現在は、電子カルテの画面を通して医師と患者が診療情報を共有しています。また、医師が電子カルテの機能を利用して、投薬、検査や画像診断の結果などを患者に対して提供したり、分かりやすく説明したりするシーンも見られるようになりました(関連記事:電子カルテ導入で診療の質が向上した「まつばらクリニック」)。

 現在の電子カルテは「診療業務の効率化」と「患者とのコミュニケーション促進」という2つの側面を併せ持ったツールとなっています。電子カルテがもともとレセプトコンピュータの追加機能として開発された経緯から、その開発当初は業務効率化の側面における評価が中心でした。その後、さまざまな機能が追加され、現在ではコミュニケーションツールとしての活用成果が多く報告されています。

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