使いやすさにこだわった電子カルテ「SimCLINIC T3」診療所向け電子カルテ製品紹介:島津メディカルシステムズ

電子カルテの良さは分かっているつもりでも、入力作業を考えるとその手間を面倒だと感じることも多いという。今回は、使いやすさにこだわり画面レイアウトを刷新したシステムを紹介する。

2010年04月01日 08時00分 公開
[翁長 潤,TechTargetジャパン]

電子カルテにすると「患者を見ずに画面ばかりを見る」?

 電子カルテシステムを導入すると、患者の基本情報や診療履歴、レントゲンなどの検査結果を画面に一覧表示でき、紙カルテ時代のような「過去の紙カルテや検査伝票をパラパラめくったり、レントゲン写真を取り出したり」という作業が不要となる。また、定型的な診療内容の入力支援機能を活用すると、診療時間の短縮も可能だ。しかし、キーボードやマウスの操作に手間取ってしまうと、患者は「自分を見ないで画面ばかり見ている」と感じてしまうこともあるという。

 電子カルテには「患者と一緒に画面を見ながら、診療状況を説明できる」というメリットがあるはずなのに、逆にコミュニケーションを阻害する要因となるのだ。この理由として、医師の診療スタイルに合っていない電子カルテであったり、その操作性が良くなかったりすることが考えられる。今回は、島津メディカルシステムズが提供する電子カルテシステム「SimCLINIC T3」を紹介する。SimCLINIC T3は「ひとつ先の使いやすさへ」を製品コンセプトとして、2010年2月から販売を開始した電子カルテシステムだ。

診療所に必要な機能を標準搭載した一体型システム

 SimCLINIC T3は、無床診療所向けに特化した統合型電子カルテシステム。1台の端末で、患者受付、診療時のカルテ入力、会計時のレセプト処理、画像ファイリング機能など、診療所における一連の業務に必要な機能を標準搭載している。SimCLINIC T3の主要機能は、以下の通り。

画像 SimCLINIC T3
SimCLINIC T3の主要機能
機能 概要
オーダリング オーダーパレット(よく使用する検査、薬、処置を登録でき、オーダー入力を簡素化する)
カルテ入力支援機能 Do入力(過去カルテにある処方・処置情報をドラッグ&ドロップで張り付けられる)
ショートカット機能(各カルテ機能を最大36個までキーボードのファンクションキーに設定可能)
処方・病名チェッカー カルテの処方・検査、処置などの情報を基に、添付文書の表示、常用量の換算、経過措置・廃止、投薬量、併用禁忌、適応症のチェックが可能
シェーマ編集機能 専用ツールによって、シェーマの追加・編集も可能
検査データや文書ファイルの取り込み 検査結果のグラフ表示が可能。JPEG、BMPなどの画像ファイルやPDF、Word、Excel文書などの取り込みと一元管理、電子カルテと連動した閲覧ができる
受付管理 診察状況モニターや院内メッセージ通知機能などで、院内スタッフ間の情報共有を支援する
各種書類・統計表印刷 処方せんや二次元バーコード、診断書や紹介状、診療区分や保険別、投薬消費量といった統計帳表を印刷可能
画像 島津メディカルシステムズの河野氏

 島津メディカルシステムズの電子カルテ部部長の河野和宏氏は、SimCLINIC T3の特徴として「電子カルテやレセコン機能に加えて、医用画像ファイリングなどの機能を含めた“診療所のIT化に必要な機能をすべて搭載した一体型のシステム”である」点を挙げた。河野氏によると、X線装置などの医療診断機器を製造・販売してきた親会社である島津製作所のノウハウを活用した、多様な医療機器との連携が強みであるという。

 SimCLINIC T3ではDICOM画像ビュアーを標準搭載しており、画像の表示だけでなくカルテにその画像を張り付けられる。また、X線や内視鏡、超音波システムなど、院内にある画像データの一元管理や連携活用が可能だ。

画像 SimCLINIC T3では患部に関する図をカルテに記録したい場合も検査画像を利用できる

 河野氏によると「一般に電子カルテシステムと画像ビュアーに異なるベンダー製品を組み合わせた場合、画像観察用に専用端末を別途購入する必要があり、その分の費用が掛かるだけでなく、操作も別々のマウスやキーボードを扱うことから煩雑になる」という。一体型であるSimCLINIC T3では画像観察用の端末を別途購入することなくスムーズなデータ連携が可能となり、また運用コストも軽減できる。さらに不具合が発生した場合でも、1社にサポートを依頼するだけで済むというメリットがある。

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