シード・プランニングがレセプトオンライン義務化によって電子カルテの普及は今後さらに伸びると分析し、2013年にはその市場規模が1324億円になるという予測を発表した。
市場調査会社のシード・プランニングは8月17日、国内の電子カルテ・PACS(医用画像ネットワークシステム)市場の現状および今後の動向予測を発表した。それによると2008年の規模・診療科目別の電子カルテの普及率は病院で17.8%、診療所で13%、歯科診療所で82%(※)だった。
※ レセプトコンピュータの導入率を含む数値。
電子カルテの普及状況について、同社では「日本政府や製品ベンダーの想定よりは遅く、特に病院向け市場が伸び悩んでいた」と分析。しかし、現在段階的に施行されている「レセプトオンライン義務化」によって、大病院から中小病院へとその導入は広がり、診療所向け電子カルテ市場は普及率10%を超えるなど、今後はさらなる伸長が期待されるという。
また、今後の市場規模については「景気の影響もあり成長率の緩急はあるが、医療情報化の流れは止まらず市場は伸びる」と分析し、「2013年には病院向けが1070億円、診療所向が160億円、診療所94億円となり、全体で1324億円に達する」と予測している。
同社は同時に、規模・診療科目別の市場規模の予測を発表している。それによると、病院向け市場は「市場規模は900億〜1100億円、納入数は350〜450件」で推移すると予測し、電子カルテを初期段階で納入した病院のリプレース需要も期待できるという。
また、新規開業の約70%が電子カルテを導入している診療所向け市場では、「未導入の8万7000件がターゲットになる」と分析。さらに眼科や精神科向けなどの診療科別製品も期待できるとしている。この結果「市場規模は120億〜160億円、納入数は3400〜5000件」で推移するという。さらに新規開業では、100%導入されている歯科診療所向け市場では「未導入の既存診療所とリプレース需要などによって「毎年2700〜3100件前後の納入が見込まれる」という。
シード・プランニングはさらに国内のPACS市場の調査結果を発表した。それによると、2008年の国内の市場規模は461億円で、今後は500億円台で推移して「2011年には新規案件のピークを迎えて533億円になる」と予測している。また、市場拡大の要因については、2008年に診療報酬改訂された「フィルムレス加算」を挙げている。
なお同社は、PACSの潜在需要について「特に“X線撮影装置”を保有する診療所の約6割(約1万8000件)での需要が見込める」としている。
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