松本市の病院がデル製サーバでデータセンター構築 ASP型電子カルテで開業医と情報共有NEWS

院内にデータセンターを構築し、ASP型電子カルテシステムを提供。地域の開業医や調剤薬局とさまざまな医療情報をWebブラウザ経由で共有し、患者へのスムーズな対応を実現する。

2008年10月01日 17時47分 公開
[TechTargetジャパン]

 デルは10月1日、長野県松本市にある特定・特別医療法人慈泉会相澤病院(以下相澤病院)において、同社のサーバストレージなどを導入したITインフラを構築したことを発表した。

 デルは院内電子カルテシステム・ASP型開業医向け電子カルテシステム・画像システムなどさまざまな医療情報の共有システムを構築。それらの情報は地域の開業医や調剤薬局など約130の機関で閲覧可能となっている。また、病院内にデータセンターを設置したことも本件の特徴の1つ。なお、データセンター は2008年5月にカットオーバーした。

 ハードウェア構成としては、電子カルテサーバ、画像サーバ、検査サーバ、医事サーバ、DNSサーバ、バックアップサーバ、ハードウェア監視サーバ、ストレージ管理サーバとして「PowerEdge 2950 III」を11台、オーダーサーバとして「PowerEdge R900」を2台導入している。ストレージは「Dell|EMC CX3-40F」を1台、ストレージ管理ソフト「EMC Control Center」を、テープ装置は「PowerVault TL4000」を導入している。

 相澤病院では、医療用に開発されたパッケージを包括的に導入するのではなく、電子カルテには医療機関用ERP提供ベンダーであるソフトウェアサービスの製品を導入し、ハードウェアにはデル製品を導入するなど、病院側が主体となって最適な製品を個別に選択した。デルはソフトウェアの稼働検証などを行いながら、標準技術をベースとして、将来的に自由度が高く、コストパフォーマンスにも優れたシステムを構築したとしている。

 相澤病院は地域医療支援病院として、院内で情報を電子化し共有するだけでなく、地域の医療機関との情報共有にも注力。病院内にデータセンターを構築し、ASP型の電子カルテを地域に提供するため、地域の開業医や調剤薬局はPCさえあればWebブラウザでデータを共有できる。双方向でデータを入力・参照することで、開業医は相澤病院に紹介した患者の状況を知ることができ、退院後の開業医によるケアも円滑に行えるという。また、相澤病院側でも、患者の来院前に検査データなどを共有することで、医療費の抑制や救急外来時に素早く処置に入れるといったメリットがあるとしている。

関連ホワイトペーパー

サーバ | データセンター | Dell | ASP | ストレージ | バックアップ


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news066.jpg

Metaに潰されないために残された生き残りの道は?――2025年のSNS大予測(Snapchat編)
若年層に人気のSnapchatだが、大人にはあまり浸透していない。一方で、AR(拡張現実)開...

news150.jpg

「猛暑」「米騒動」「インバウンド」の影響は? 2024年に最も売り上げが伸びたものランキング
小売店の推定販売金額の伸びから、日用消費財の中で何が売れたのかを振り返るランキング...

news110.jpg

Netflixコラボが止まらない 「イカゲーム」シーズン2公開で人気爆上がり必至のアプリとは?
Duolingoは言語学習アプリとNetflixの大人気ドラマを結び付けたキャンペーンを展開。屋外...