新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行で、病院内の事務作業が増大した。福岡県の浅川学園台在宅クリニックはRPAツールを導入し、事務作業を月に合計約15時間削減することに成功した。
「RPA」(ロボティックプロセスオートメーション)関係のツールやサービスを提供するRPAホールディングスの子会社、RPAテクノロジーズは2023年4月18日、福岡県の浅川学園台在宅クリニックがRPAツール「BizRobo!」を導入したと発表。同クリニックは、医師の事務作業を最大75%自動化した。
病気になり通院できない場合に、自宅など患者の住む場所で治療することを在宅医療という。浅川学園台在宅クリニックは、北九州市八幡西区および近隣に住む患者80人に、月に数回の訪問診療や服薬管理を通して在宅医療を提供している。
浅川学園台在宅クリニックは訪問看護指示書の作成など、医師が担当しなければならない事務処理を休診日に実施していた。しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が広がってからは、ワクチン接種時の問診など業務が増大し、患者の診療時間が逼迫(ひっぱく)しかけていた。
そこで同クリニックの院長である河野 精一郎氏はRPAを活用した業務効率化を検討し、BizRobo!シリーズのエントリーモデル「BizRobo! mini」を、無償トライアル後に導入した。RPAの導入や運用は、データベース運用の経験があった河野氏が自ら取り組んだ。
BizRobo! Miniを利用して自動化した具体的なタスクは以下の3点だ。
医師が発行する在宅療養計画書と訪問看護指示書は、クラウド型電子カルテへの入力や、データベースから翌月の対象患者をリストアップするなどの工程がある。BizRobo! Miniの活用により、工程によっては最大75%の時間を削減し、合計で毎月10時間弱の時間削減効果を創出した。事務員が毎月5時間かけていた請求書発行作業は、ほぼ完全に自動化。時間・精神的な余裕の創出につながっているという。
浅川学園台在宅クリニックは今後、提携する外部事業所と共有している情報の管理など他の業務にもRPAの活用範囲を広げる計画だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
遠隔医療体制を構築する際は、患者や通常業務への影響を押さえながら進める必要がある。パンデミック下で一斉に遠隔医療体制を構築した2つの医療機関の例を紹介する。
オーストラリアでは処方箋の完全電子化が一般化しているが、制度確立までの道のりは平たんではなかった。完全電子化を阻んだ課題とその解決策とは。
コロナ禍を契機に、湾岸諸国では「デジタルヘルスケア」への移行が加速している。湾岸諸国におけるデジタルヘルスケア産業の重点投資分野とは。デジタルヘルスケア推進の”壁”とその対処法についても紹介する。
医療機関は膨大なデータを扱い、そのデータに基づいて重要な決定を下す場合がある。一方、データの質は低くなりがちだ。それはなぜか。データの品質を改善させるために必要な方策と併せて紹介する。
英国の国民保健サービスでイングランド地域を管轄するNHS Englandが、医療サービス向けの新データ基盤を構築している。この計画に英国市民団体が“待った”をかけたという。なぜなのか。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。