エス・ワイ・エスの「ヨヤクル」は、同社の強みを生かして患者満足度向上を支援することを目的としたシステム。予約患者の呼び出し順番を最優先に調整したり、オプション機能の選択によって導入コストを抑えている。
1999年に設立されたエス・ワイ・エスは、ホテルやレストランなどのオンライン予約システムを提供してきた。同社は2012年3月、医療機関向け事業の「ヨヤクル」を事業取得し、運営管理を継承。ホテル/レストラン分野での実績を基に診療所におけるホスピタリティやNPS(Net Promoter Score※)の向上を支援するシステムを目指している。
※:顧客のロイヤルティーを測るための指標の1つで「推奨者の正味比率」を意味する。ある病院を親しい人に勧めたいと思う患者の割合を指す。
ヨヤクルは、インターネット経由でエス・ワイ・エスのデータセンターにアクセスして利用するASP(Application Service Provider)システム。導入機関は、インターネット接続が可能なWindows対応端末を用意するだけで済み、サーバ機器の設置は不要だ。また、院内にタッチパネルや発券機を設置することで、予約券の発券や順番呼び出しなども可能。
患者の診療予約は、携帯電話やPCによるインターネット経由での「Web予約受け付け」、自動音声ガイダンスによる「電話予約受け付け」、受付に設置したモニターで患者自身が予約する「タッチパネル受け付け」の3種類に対応する。
ヨヤクルのWeb予約受け付けでは、PC/スマートフォン用と携帯電話用の2種類の画面がある。「診察券番号」と誕生日などの「暗証番号」によるログイン認証を経て診療予約を行う。自身の予約状況や診察までの待ち人数なども確認できる。
ヨヤクルは、Web予約受け付け機能と「医院からのお知らせメール配信」機能を提供する「シンプルバージョン」をベースに、その他の機能はオプション選択で利用する形式を取る。エス・ワイ・エスのヨヤクル事業部 最上大樹氏は「必要のない機能が付いてくるパッケージよりも導入コストを抑えることができる」と説明する。
シンプルバージョンの初期導入費用は16万円で、月額基本料金は9000円の固定料金。端末数やメール配信数、患者数などで追加費用が発生しない。また、よく利用されるオプション機能を組み合わせた3種類のバージョンを導入することも可能だ。
自動音声予約、メール通知(予約確認・診療前通知)、待合室ディスプレイ表示、統計データ、CTI通知、リライタブルカード出力、発券機出力、電子カルテ連携
ヨヤクルの特徴として、最上氏は「予約患者最優先」「マイアポイント帳」「3種類のお知らせ機能」などを挙げる。
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