多くの患者が「診察までの待ち時間」に不満を持っている。待合室の混雑を解消するために診療所で導入が進んでいるのが、診療予約システムだ。本稿では、エスプラントが提供する「i-CALL」を紹介する。
医療機関への不満として、多くの患者が「診察までの待ち時間」を挙げる。混雑する待合室で長時間待たされると、体調が悪化してしまうこともある。また、「診察までどれくらい待たされるか」が分からないとストレスを与えかねない。加えて、流行性の病気に感染した患者がいる場合は、院内感染のリスクもある。
現在、待合室の混雑を解消するため、診療予約システムを導入する診療所が増えている。システムを導入することで、患者が直接来院しなくてもPCや携帯電話などからインターネット経由で診療を予約できたり、自分より先に何人の患者が診察を待っているかなどを知ることができる。本稿では、約900施設(2013年1月現在)で導入されている診療予約システム「i-CALL」を紹介する。
エスプラントがi-CALLの提供を開始したのは2006年。エスプラントの第二営業部 部長 岩本 忍氏によると「待合室の混雑解消」「受付での電話応対や患者対応の効率化」「ゆとりのある診察」などをコンセプトにしているという。
i-CALLは、インターネット経由でエスプラントのデータセンターにアクセスして利用するASP(Application Service Provider)型システム。その導入に当たっては、インターネット接続が可能なWindows対応端末を用意するだけで済み、サーバ機器の設置は不要。また、タッチパネルやプリンタを設置することで患者自身による受け付け予約や予約券の発券も可能になるなど、院内受付業務の自動化も図れる(ハードウェアは別途必要)。
i-CALLは、受け付け機能が異なる3種類のパッケージを選択して導入できる。
パッケージ名 | 予約機能 |
---|---|
順番待ちパッケージ | 受付順に診察をする「順番待ち受け付け」 |
時間指定パッケージ | 診察の日時を指定する「時間指定予約」 |
複合予約/順時予約パッケージ | 順番待ち受け付けと時間指定予約の両方が可能 |
i-CALLでは、患者は「診察券番号」と誕生日などの「暗証番号」による認証をした上でシステムにログインし、診療予約を行う。手段は、携帯電話やPCによるインターネット経由での「オンライン受け付け」、自動音声ガイダンスによる「電話受け付け」、受付に設置した専用モニターで患者自身が予約する「タッチパネル受け付け」の3種類に対応している。
さらにオプションでレセプトコンピュータ(レセコン)や電子カルテとの連携機能などを提供しており、各医療機関のニーズに合わせて必要な機能をカスタマイズして利用できる。
また、「呼び出しコール」機能によって、診察が近づいていることを患者にメール、電話で自動通知する。例えば、「1人当たりの診察時間の平均が5分である場合、5〜6番前の患者の診察を開始する30分前に通知する」という設定も可能だ。待合室で待たずに外出して別の用事を済ませることも可能になり、院内感染のリスクや待ち時間のストレス軽減にも役立つ。「電話での問い合わせなどの業務が減ったり、待合室や駐車場などの混雑を解消したりするなどのメリットがある」(岩本氏)
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