【連載コラム】医療ITの現場から
診療予約システムの選定で重要な5つのポイント
PCや携帯電話などからオンラインで診療予約が可能な「診療予約システム」の導入が進んでいる。診療所向けだけでも20種類以上のシステムが存在する中、自院に最適なシステムを選定するポイントを紹介する。
Webサイトを開設する診療所が増え、オンラインで診療予約ができる「診療予約システム」の導入が進んでいます。診療予約システムには、院内に設置した専用端末による受付整理券の発券や患者の自動呼び出し、現在の待ち時間や順番などの案内表示、メールによる診察時間の自動通知などのさまざまな機能があります(関連記事:「3時間待ちの3分診療」 待合室の混雑をIT化で緩和する方法)。
今回は、診療所が診療予約システムを選定する際のポイントを考えてみましょう。診療予約システムの選定では「操作性」「機能」「サポート」「価格」「実績」の5つの観点で判断することをお勧めしています(連載インデックス:【連載コラム】医療ITの現場から)。
(1)操作性
まず直観的に操作できることが重要です。また、オンライン予約は予約画面へのアクセス方法が分かりにくかったり、入力が複雑だと電話で問い合わせたり、直接来院することも考えられます。そのため、分かりやすい予約画面であることも求められます。端末を受付に設置する場合、マウスやキーボードではなく、タッチパネル形式が多く採用されています。これは入力操作のしやすさだけでなく、受付場所のスペース確保という観点からも重要だといえます。
(2)機能
システムの機能については「予約方法」「管理のしやすさ」「他システムとの連携」などを確認しましょう。診療予約の方法には大きく分けて「順番予約」と「時間予約」の2種類があります。どちらに対応しているかを確認する必要があります。また、管理のしやすさとしてはスタッフが予約状況の把握やキャンセル、急患受付などをすぐに処理できるシステムであるかどうかを確認しましょう。さらにレセプトコンピュータや電子カルテシステムなどの他システムとデータを共有できると、院内全体の業務をより効率的に実施できます。
(3)サポート
サポートについては「トラブル時の対応内容」を確認しましょう。診療予約システムにトラブルが発生すると、機会損失や診療業務に影響する可能性があります。また、システムのバージョンアップについても「定期的に行われているか」「カスタマイズの要望にはどの程度対応してもらえるか」「対応コストは発生するか」などを事前に十分に確認をしておくと、運用後も安心できます。
(4)価格
価格については「初期導入コスト」「運用コスト」の2点で考えます。初期導入コストはハードウェア、ソフトウェアの料金、その設置やインストールなどの設定作業、導入研修などが含まれます。通常、ASP型の場合はハードウェアを診療所が調達するケースが多いようです。また運用コスト(保守料)には、ソフトウェアの保守料やサーバ利用料金、電話サポート、訪問サポート料金などが含まれます。
システム選定に当っては、できるだけ複数のシステムを同一条件で月額換算にして比較することが重要です。また「必要な機能に絞り、無駄なオプション機能を購入しない」ことも費用を抑える秘訣です。豊富に提供される機能を全て選ぶのではなく、本当に必要な機能に絞ることが大切です。
(5)実績
「自院の診療科目に適した採用実績がある」ことも重要なポイントです。診療科目によって診療予約の運用方法はさまざまです。例えば、診療予約システムが多く導入されている小児科では、通常は来院の順番で予約を取り、ワクチン接種や健康診断など一時的に診察が多く見込まれる場合は時間帯で予約するという形式を取ります。一方、美容整形科などでは時間予約が中心となります。
現在、20種類以上の診療所向け診療予約システムが提供されています。中には、導入実績の有無によってシステム提案や導入・運用、サポートなどに差が出ることがあります。営業担当者からシステム提案を受ける際には「提案内容が自院に適しているか」「自院と同じ診療科目での導入実績はどれくらいなのか」などを確認しましょう。
診療予約システムを導入すると、予約管理業務の効率化や患者の診察待ち時間のストレス改善、院内感染のリスクの軽減などに役立ちます。以上の選定ポイントを踏まえて、自院に最適な診療予約システムを検討してみてはいかがでしょうか。
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