医療機関とITベンダーは「医療現場をITで効率化する」という同じ目標を共有していても、システム導入時の議論がかみ合わないことがあります。用語の使い分けに端を発する「誤解」に注目し、混乱の原因を探ります。
筆者が医療現場のIT化に関わるようになって約20年がたちます。ある時は医療機関のIT担当者として、ある時はITベンダーのアドバイザーとして、常に「ITを活用して医療現場を効率化する」という思いの下に取り組んできました。そのような経験の中で、医療機関とITベンダーはIT化への思いが同じであるにもかかわらず、両者はすれ違い、ボタンの掛け違いを繰り返してきたように感じます。なぜ、このような状況が起きるのでしょうか。
主な理由は2つあります。1つ目は医療機関とITベンダーの間に「情報量の差」があること。2つ目は医療機関とITベンダーがそれぞれの常識にとらわれていることです。これは医療業界に限った話ではなく、どの業界でもIT化に取り組む上で常に付きまとう問題です。
医療現場のIT化を適切に進めるためには、医療機関とITベンダーが、医療現場の業務とITの理解を相互に進め、共通の言語でコミュニケーションを取る必要があります。本連載は医療ITの製品選定に関与する立場の方に向けて、医療機関とITベンダーの相互理解の不足がもたらす問題に焦点を当て、例を提示しながらすれ違いが起きる理由を解き明かします。
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