医療業界でも積極的なクラウド活用が進んでいますが、「クラウドは安い」という印象が先行している側面もあり、導入プロジェクトでITベンダーとの議論がかみ合わないケースが生じています。すれ違いの主な原因は。
クラウドサービスの利用は一般的になり、医療業界でも利用が進んでいます。ただし「クラウド」という言葉は曖昧に理解されがちです。医療機関とITベンダーの間でクラウドサービスの特性を明確に理解しないままシステム導入を進めてしまうと、後で大きな問題に発展することがあります。本稿はクラウドサービスという用語がもたらす、医療機関とITベンダーの行き違いを解説します。
メール、カレンダー、地図ツール、交通案内、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)など、私たちは日常的にさまざまなSaaS(Software as a Service)を活用しています。こうした一般消費者向けのSaaSには、無料または低価格で利用できるものが幾つもあります。医療機関でも一般消費者向けSaaSのイメージから「クラウド=安い」という印象を持っている人が少なくありません。このことから、IT投資の予算を抑えたい医療機関が「クラウドサービスを選んでシステム構築をしてほしい」と指定するケースがあります。
筆者は「クラウドで構築すれば安く済む」という印象が独り歩きしているように感じています。筆者がコンサルティングに携わった事例で、仕様をそろえた上でクラウドサービスを使ってシステムを構築する場合と、オンプレミスのインフラにシステムを構築する場合の5年間のトータルコストを比較したら、差がほとんどなく医療機関の方に驚かれた経験もあります。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
GoogleやMicrosoftが警鐘 中国発ネット工作の危険性(無料eBook)
GoogleやMicrosoftの報告が示すのは、中国発のAIを活用したネット工作が世界的な問題とな...
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年1月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
Netflix、さらなる成長戦略は「アドテク自社開発」 広告主のメリットは?
Netflixは2024年第4四半期に1890万人の加入者を増加させ、広告収入を前年同期比で倍増さ...