EHR(電子医療記録)は、患者の異常所見を読み取るために必要な機能を万全に備えているとは限らない。人工知能(AI)技術をEHRに組み込むことで、見落としに起因する医療ミスの防止に役立つ可能性がある。
ジョンズホプキンス大学が実施した2016年の調査によると、医療ミスが米国の主な死因の第3位であった。これは懸念すべき統計結果だ。医師はこの事態を改善するためにたゆみなく努力し、病院は医療ミスを削減するために業務プロセスと手順を整備している。一部の病院は、薬を処方するときに潜在的なリスクについての早期警告に関する情報を提供し、新しい臨床意思決定支援システムを導入している。幸いなことに人工知能(AI)ツールは、医師や病院が医療ミスを削減しようと取り組む中で直面する幾つかの課題に対処してくれる。
医師は、患者を治療する前の最初のステップとして、まずカルテを確認する。カルテには患者の病歴や検査結果、医用画像、その他の関連情報が含まれる。合併症を持つ患者は、一般的な症状の患者よりも多くのデータを保有している傾向がある。つまり医師は、合併症を持つ患者の治療を開始する前に、より多くの時間をかけてデータを確認する必要があるということだ。
医師は薬物相互作用やアレルギーなどのよくある問題を見落とさないようにするためにEHR(電子医療記録)を頼りにしている。これは現在の市場に出回っている全てのEHRに期待される機能だ。ただし患者データが増え続けると、EHR単体のデータ分析能力は限界を迎える可能性がある。データを高度に分析したりマイニングしたりするサードパーティー製AIツールの支援なしには患者データを十分に分析できず、予防医療のニーズを満たせなくなるEHRも出てくるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
遠隔医療体制を構築する際は、患者や通常業務への影響を押さえながら進める必要がある。パンデミック下で一斉に遠隔医療体制を構築した2つの医療機関の例を紹介する。
オーストラリアでは処方箋の完全電子化が一般化しているが、制度確立までの道のりは平たんではなかった。完全電子化を阻んだ課題とその解決策とは。
コロナ禍を契機に、湾岸諸国では「デジタルヘルスケア」への移行が加速している。湾岸諸国におけるデジタルヘルスケア産業の重点投資分野とは。デジタルヘルスケア推進の”壁”とその対処法についても紹介する。
医療機関は膨大なデータを扱い、そのデータに基づいて重要な決定を下す場合がある。一方、データの質は低くなりがちだ。それはなぜか。データの品質を改善させるために必要な方策と併せて紹介する。
英国の国民保健サービスでイングランド地域を管轄するNHS Englandが、医療サービス向けの新データ基盤を構築している。この計画に英国市民団体が“待った”をかけたという。なぜなのか。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...