診療所・病院に勤務する会員に実施したIT化に関する調査リポート。IT化の現状や目的、期待効果などが明らかになった。
TechTargetジャパンは2012年12月3日から12月19日まで、診療所・病院に勤務する会員を対象に「医療機関のIT化に関する読者調査」を実施した。調査結果からIT化の状況や導入済み・導入予定の製品、製品の満足度、導入時の課題などが明らかになった。
本稿では、その一部を紹介する(全ての結果を記載したリポートは、文末のリンクから会員限定でダウンロード可能)。
目的:診療所・病院のIT化の現状を調査するため
方法:Webによるアンケート
調査対象:TechTargetジャパン会員
調査期間:2012年12月3日(月)〜12月19日(水)
総回答数:91件
※回答の比率(%)は小数点第1位を四捨五入し表示しているため、比率の合計が100.0%にならない場合があります。
導入しているシステムの種類を聞いたところ、全体の98.9%が「レセコンシステム」を導入済みと回答。「医用画像管理システム(PACS)」(91.2%)、「院内ネットワークシステム」(86.8%)、「電子メール・グループウェア(掲示板・スケジュール管理)」(78.0%)と続く。
今後導入予定のシステムについては「地域医療連携システム」(26.4%)、「電子カルテシステム」(25.3%)、「経営分析支援システム」(24.2%)などが上位に挙げられた。その他、「服薬指導システム」「タブレット端末を使った問診システム」「Hadoopを使用した全文検索システム」という回答もあった。
また、最も導入・更新したいシステムとしては「電子カルテシステム」(27.5%)が多く、「地域医療連携システム」(15.4%)、「経営分析システム」「診療情報データベース」(共に6.6%)と続いた。その他、「電子カルテ/レセコンを柱にした病院情報システム(HIS)」「院外からのアクセス環境」なども挙げられた。
IT化の目的や期待する効果としては「医療の質の向上」(82.4%)が最も多い。「情報伝達の迅速化/効率化」(78.0%)、「現場業務の効率化/省略化」(75.8%)、「医療の安全性の強化」(74.7%)が上位に挙げられた。一般にIT化の目的として多く挙げられる「コスト削減」は41.8%だった。
一方、システム導入の課題を聞いたところ、「投資コストの負荷」が71.4%と最も多く、「院内での理解不足」(47.3%)、「医療情報システムに関する情報の不足」(33.0%)と続いた(関連記事:医療のIT化が遅れている原因は何か?)。
ITシステム全体の満足度を聞いたところ、「満足している」(47.3%)が最も多く、「とても満足している」(1.1%)と合わせると回答者の約半数がおおむね満足していることが分かった。また、「どちらかというと不満がある」「不満がある」は回答の4分の1だった。
システムへの不満理由を具体的に聞いたところ、「システムが使いにくい」(58.3%)が最も多かった。次いで「既存システムとの連携やシステムの拡張性が低い」「機能が不十分」(共に41.7%)となった。また、「医療機関向けシステムの統一仕様がなく、システム間の接続費用が他の業界に比較して割高である」という意見もあった。
関心がある医療ITトレンドとしては、「地域医療連携システム」「サーバ仮想化/デスクトップ仮想化などの仮想化技術を活用したシステム構築」(共に54.9%)が最も多かった。「モバイル端末を利用した院外からの情報参照・入力」(50.5%)、「医療クラウド」(40.7%)、「BYOD(私物端末の業務利用)」(33.0%)なども注目されていることが分かった。
また、医療分野のIT化で知りたい情報については、「地域医療ネットワーク」「仮想化技術を利用したシステムの導入事例とその効果」「医療クラウドの安全性」「タブレット端末やスマートフォンのセキュリティ」などが挙げられていた。
その他、「システム導入で重視するポイント」「システムに関する専門部署や担当者の状況」「システム全体の年間運用コスト」に関する調査も実施した。その詳細なアンケート結果は、以下からダウンロードできる(TechTargetジャパン会員限定)。本稿では紹介しきれなかったアンケート結果を紹介している。ぜひ参照されたい。
診療所・病院に勤務するTechTargetジャパン会員を対象にした「IT化の状況に関するアンケート調査」を実施。本リポートでは、診療所・病院のIT化の状況や導入済みの製品、導入課題、関心がある医療ITトレンドなどをまとめている。
調査結果リポートのダウンロードページへ (TechTargetジャパン) |
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