診療所の電子カルテの普及率は約2割だが、新規開業では9割も導入される傾向にある。電子カルテ市場の規模予測や主要ベンダーの最新動向、東日本大震災の影響などを踏まえて、今後の診療所のIT化を占う。
シード・プランニングは2012年2月、市場調査リポート『2011-2012年版 電子カルテの市場動向調査 −電子カルテ/PACS市場規模予測とシェア動向』を発表した。このリポートは電子カルテシステム(病院向け、診療所向け、歯科向け)とPACS(医用画像管理システム)の市場動向を調査し、2016年までの市場規模を予測したものだ。
本稿では、診療所向け電子カルテ市場の規模や導入シェア、主要ベンダーの最新動向、東日本大震災の影響などを紹介する(関連記事:なぜ電子カルテは急速に普及しないのか)。
2010年の診療所向け電子カルテ市場規模は「約109億円」、年間納入数は「約3030件」と推定される。今後は順調に推移して、2016年の市場規模は「約139億円」、年間納入数は「約4200件」になると予測される。
今後、診療所向け電子カルテの普及が広く進むには「既存の診療所への普及」が鍵となる。既存診療所の電子カルテの導入はこれまでなかなか進まなかった。その要因として、通常の診療を継続しながら電子カルテを導入することの煩雑さやコストなどの弊害が考えられていた。しかし、2009年の「平成21年度医療施設等設備整備費助成金」制度によって既存診療所における電子カルテの導入が進んだことで、潜在的なニーズが顕在化した。
診療所向け電子カルテの納入件数は2009年下期から2010年上期にかけて大幅に増え、特に既存診療所での導入が伸びた。ただ、助成金制度が終了した反動で2010年下期から2011年の既存診療所への納入数が減少し、全体的に前年よりも納入数が減っている。
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