CRやCT、MRIなどの画像撮影装置の画像データを管理するPACS(医用画像管理システム)。シード・プランニングの市場調査を基に現状と今後の動向を予測する。
シード・プランニングは2010年10月、市場調査リポート「2010年版 電子カルテの市場動向調査」を刊行した。このリポートは、電子カルテ(病院向け・診療所向け・歯科向け)とPACS(医用画像システム)の市場を調査し、2014年までの市場規模を予測したものである。本稿では、病院・診療所向けPACS市場の調査結果を基に、その市場規模や導入状況を紹介し、今後の市場動向を考察する。
中小規模病院の普及が鍵を握る“病院向け電子カルテ”導入【電子カルテ・病院編】
診療所における電子カルテ導入促進の鍵は?【電子カルテ・診療所編】
前年比2倍以上の普及率、レセプト請求オンライン化の現状【レセプト請求オンライン化】
2008年の診療報酬改定で「フィルムレス加算」制度が設けられたことで、PACSシステム市場は拡大し、2009年の市場規模は485億円、納入数は1350件になった。PACSシステムの導入状況は600床以上の大病院で95%前後、200床以上399床以下の中小病院で60〜65%となっている。2010年の診療報酬改定でもフィルムレス加算は継続され、市場は堅調に推移している。今後、2011〜2012年が新規案件のピークと見られ、2012年以降はリプレース需要が中心となり市場はマイナス成長。2014年には500億円前後の市場規模になると予想される。
PACS市場の立ち上がり時には、モダリティやフィルムCRなどのメーカー、システムベンダー、SIerなど多数の企業が参入していたが、徐々に淘汰されてきた。現在PACSシステム市場には25社前後が参入しており、大病院をターゲットにするベンダー、診療所および中規模病院向けを主なターゲットにするベンダー、大病院・中小病院・診療所の全てをカバーするベンダーなどで、そのすみ分けがなされてきている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
生成AIの活用、意外と進んだマーケティング部門と進まない営業部門 どうして差が生じた?
HubSpot Japanが実施した「日本の営業に関する意識・実態調査2025」のポイントを、記者説...
Webサイト改善のゴール(KGI)と戦略(KPI)の決め方
連載第2回目となる今回は、Webサイト改善のためのゴール(KGI)と戦略(KPI)の設定方法...
メルマガをきっかけにした商品購入、B2B商材ではどれくらいの人が経験?
ラクスが「メルマガに関する調査レポート」を公表した。メルマガ経由のサービス購入や資...