iPadやAndroid端末対応の電子カルテが登場するなど、医療現場でのモバイル端末の導入が加速している。その利用範囲は医療スタッフだけでなく、入院患者やその家族にも広がっている。
現在、多くの電子カルテでiPadやiPhone、Android端末から診療情報の参照や入力が可能になっている。携帯性に優れたモバイル端末は院内だけにとどまらず、在宅医療や救急医療など院外でも利用できる。そのため、医療現場における利用ニーズはさらに高まり、市場に多くの対応製品が登場すると予想される。本稿では、医療の現場で利用されているモバイル端末対応製品を紹介する。
患者とのコミュニケーションや医療スタッフの業務効率の支援などに利用できるのが、ホスピタルネットの医療機関向けタブレット端末「HosPad」だ。HosPadは入院中や診療待ちの患者向けに提供される。産婦人科向け、総合病院向け、クリニック向けの3種類が用意されており、それぞれの施設の特徴に応じたさまざまなサービスの利用やコンテンツの閲覧などが可能だ。
タブレット端末はiPad(Wi-Fiモデル:16Gバイト)で導入時にアプリケーションやテンプレートなどをプリインストールし、管理用ノートPCと合わせたレンタルサービスとして提供する。病床での利用を考慮し、卓上スタンドやアームと組み合わせて設置する。
サービス名 | 利用できる主なサービス | 提供形態 |
---|---|---|
産婦人科向け「HosPadマタニティ」 | 入院案内、育児指導、産後ケア、Q&A、テレビ電話、家庭の医学など | 卓上スタンドタイプ |
総合病院向けHosPad | 検査案内、ピクトグラム、食事選択、売店注文など | アーム式タイプ |
クリニック(待合室)向けHosPad | 検査案内、問診票、Q&A、薬品検索など | ブックタイプ |
総合病院向けのHosPadでは食事の選択やシャワー予約、病院の売店への注文などが可能。さらに入院時の案内や検査・手術説明など導入機関独自のコンテンツを表示できる。
HosPadマタニティでは、テレビ電話機能を利用してiPhoneやiPadを持つ外部の家族や親戚に乳児の様子を見せることができる。また、沐浴指導や産後の過ごし方などに関する動画コンテンツを提供。入院患者やその家族が閲覧して学習可能だ。
その他、インターネットや電子書籍の閲覧、オンラインゲームなどを利用でき、入院患者や待合室の患者の空き時間の有効活用を支援する。タブレット端末ではインターネット接続に専用ブラウザを用いており、アクセス履歴やログイン情報の消去といったセキュリティ機能を備えている。
また、医療スタッフの患者対応業務を支援する機能を搭載している。医療スタッフは、患者が保有するHasPadに各イベントのアラートや通知などのメッセージを配信できる(個別/一括配信も可能)。退院までのスケジュールを登録し、それをスタッフ間でテンプレート化して共有することも可能だ。
ホスピタルネットによると、初期費用は不要で端末1台当たりの月額利用料金が4000円から。同社がメンテナンスやコンテンツ制作などをサポートする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
D2C事業の約7割が失敗する理由 成功企業との差はどこに?
クニエがD2C事業の従事者を対象に実施した調査の結果によると、D2C事業が成功した企業は...
企業のSNS活用実態 最も使われているのはX? Instagram?
企業はSNSをどのように活用しているのか。調査PRサービスを提供するPRIZMAが、最も使われ...
日本のモバイルアプリトレンド2025 クロスデバイス戦略とMMMの重要性とは?
急速に進化するモバイルアプリ市場においてAIと機械学習の活用が本格化し、マーケティン...