膨大な医学文献の中から、自身の研究や診療に役立つ情報を探したい。そんな医師のニーズに応えるクラウド型文献保存・閲覧ツールを紹介する。
医療現場で使えるiPad/iPhone対応システムやアプリケーションを紹介する本連載。今回は、ケアネットが提供する医学文献検索サービス「PubMed CLOUD」を紹介する。
PubMed CLOUDは、世界最大級の医学・生物文献データベース「PubMed」の情報検索や検索結果の保存・管理などを支援するサービス。ケアネットが運営する医師・医療従事者向けWebサイト「CareNet.com」の会員を対象に2011年8月から無償で提供されている。
PubMedは、さまざまな学術雑誌に掲載された国際論文の情報を検索できるサービスで、米国立図書館の国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information:NCBI)が1997年から提供している。現在2000万件以上の論文が登録され、そのうち300万件を全文無償で閲覧できる。PubMedであるキーワードを検索すると、関連する論文のタイトルや著者、発行年、掲載雑誌名、掲載ページなどの情報を登録順に一覧表示する。さらに表示結果をクリックすると、画面が遷移してそのアブストラクト(論文要旨)が表示され、関連論文などの付随情報も確認できる。
ケアネットのメディカル戦略本部 本部長の藤原健次氏は、自身の経験を踏まえてPubMedの利用では主に3つの課題があると指摘する。
「PubMed CLOUDは、そうしたユーザーの悩みを解決できるサービス。EvernoteとPubMedを融合させることを開発コンセプトに掲げている」と説明する。
PubMed CLOUDでは「PubMed CLOUDの専用Webサイト」「iPadやiPhone、iPod touchなどのiOS対応専用アプリ」(App Storeからダウンロード)という2種類の利用方法を提供している。検索した文献情報、検索条件、検索履歴などはクラウド環境に保存できる。またiPadやiPhoneなどの端末で情報を共有したり、ローカル保存して必要なときに閲覧できる機能もある(関連記事:孫社長も驚いた「医療現場のiPad/iPhone活用」最前線)。
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