まだまだ無視できない5つの先進技術
AI、データ分析、ブロックチェーン……医療業界が最優先にすべき技術トレンドはどれ?
医療業界で注目すべき技術トレンドとして、2019年も引き続き人工知能(AI)とブロックチェーンは注目を集めるだろう。仮想現実、データ分析、ハイブリッドクラウドなど、無視できないトレンドをおさらいする。
2019年を迎え、医療業界のCIOは新技術に対するイニシアチブを取り入れようと準備を進めている。医療業界の幹部の多くは、同業界で既に活用されている新たなイノベーションの幾つかを試す機会をもたらす新プロジェクトを始めることに意欲的だ。医療業界のCIOが注目すべき2019年の5つの技術トレンドを紹介しよう。
人工知能(AI)
この数年の間に人工知能(AI)の成熟度は顕著に高まり、採用シーンが増えてきた。医療分野の用途には、放射線科医が検知できない病変を検出しやすくするための画像処理や、ハイリスク患者を特定するためのカルテ分析などが含まれる。AI技術をまだ採用していない医療業界のCIOは、業界内で後れを取らないようにするためにも、2019年こそAIに取り組み始める最初の年とすることを勧める。
アドバンストアナリティクス(高度な分析)
ビジネスインテリジェンス(BI)とアナリティクスの採用が、病院内の複数の部門にわたって増加している。ダッシュボードは、病院の運営、感染症発症率、再入院率、患者アウトカム(医療行為に対する成果)などを観測するために活用されている。この活用傾向は、他部門においても分析技術の採用を検討することを促している。
2019年は、機械学習とデータマイニング機能を活用した高度な洞察を提供するダッシュボードの採用事例が、引き続き増加すると期待を集めている。IT部門はダッシュボードを運用可能にするために、これらの取り組みの陣頭指揮を取り、データ連携とデータへのアクセスを可能にする必要がある。
ハイブリッドクラウドデプロイメント
VMwareとMicrosoftの両社は、クラウド移行を容易にするためにデータセンター向けサーバ製品を強化した。「Windows Server 2019」と「VMware Cloud」の最新バージョンならば、パブリッククラウドサービスの「Microsoft Azure」または「Amazon Web Services」をオンプレミスサーバのデプロイメントと並行して利用できるハイブリッド環境設定を支援してくれる。ほとんど手間をかけずにサーバとデータのクラウド移行を、速やかかつ簡単に実現できるのだ。この柔軟性のおかげで、オンプレミス環境を維持している病院がクラウドに移行する際の苦悩は軽減し、増大するストレージや災害復旧(DR)への対策としてクラウドを活用する機会が到来するだろう。
仮想現実
2018年において、仮想現実は新型ヘッドセットと3Dレンダリングの進歩によりますます普及した。そして2019年、仮想現実は医療分野における技術トレンドの上位として挙げられている。医療業界のCIOは、臨床現場で有用性のありそうな、仮想現実の異なる活用方法を検討する必要がある。活用方法の一つとして、臨床医が3Dで手術や他の教育セッションを体験できる仮想現実ベースのトレーニングが挙げられる。他にも、不安障害の治療やストレス緩和および理学療法の目的で、患者自身が3D世界を体験し没頭してもらう、ということも仮想現実ならば可能だ。
ブロックチェーン
2018年、医療分野で最も注目を引いた技術トレンドの一つがブロックチェーンだ。2019年も引き続き広く議論されれば、ホットな話題となるだろう。ブロックチェーンは、ネットワークに参加しているコンピュータ間でデータの有効性と真正性を保証しながらデータを転送することが可能なため、多くの業界にとって魅力的な技術と見なされている。最近では調査会社のGartnerが、ビジネスに対するブロックチェーンがもたらす付加価値が2026年までに3千600億ドルをわずかに超えるまでに成長すると予測した。同社によると、2030年までにその値は3兆1000億ドル以上に急増するという。医療業界のCIOはこの技術を評価し、安全な医療データのやりとりなど、病院が利用できる潜在的な利点を理解する必要がある。
医療分野に限らずどの業界にもハイプサイクル(Gartnerが提唱する、技術の成熟度などを表した図)の初期にある技術トレンドが存在する。医療業界のCIOはそれらを認識しているが、彼らのほとんどはまだ見たり聞いたりするだけの「新しい光輝くモノ」には飛びつかない。医療業界のCIOは、患者の看護を支援し、アウトカムを改善し、そして病院に具体的な投資利益率をもたらす意味のある技術のみを採用する傾向がある。選択できる技術の数が増えていることを考えると、医療業界のCIOは、リソースや予算、全体的な病院の優先順位を比較検討して、どの技術を2019年に導入し、どの技術を2020年以降に先延ばしするのかを決定する必要がある。
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