Gartnerは、2022年に大幅な成長が見込まれる分野として「ITサービス」と「ハイパーオートメーション」を挙げる。これらの2つの分野が伸びる理由とは。
前編「できるCIOは『スプリント』を重視――Gartnerが描く“未来志向”のCIO像」に続き本稿は、調査会社Gartnerが2022年1月に発表した調査結果を基に、2022年に拡大するとみられるIT支出の動向を紹介する。
ITスキルを持つ人材の不足は、システム構築のコンサルティングやシステム運用支援といったサービスを提供するITサービスベンダーへの需要を生む可能性がある。Gartnerの予測では、2022年のITサービス分野への支出は、前年比7.9%増の約1兆3000億ドルに達する。
Gartnerで調査担当バイスプレジデントを務めるジョン・デビッド・ラブロック氏によると、コンサルティングサービスはITサービス分野の中でも急成長している。企業のクラウドサービス導入が、成長の急加速に寄与する形だ。大企業の間では、クラウドサービス導入時に外部のコンサルタントを採用して戦略を策定することが、数年以内に一般化する可能性があると同社はみる。
RPA(ロボティックプロセスオートメーション)と人工知能(AI)技術を連携させた「ハイパーオートメーション」(インテリジェントプロセスオートメーションとも)も成長が見込まれる分野だ。ラブロック氏はハイパーオートメーションに関して、「最高情報責任者(CIO)が2022年に資金を投入する分野の一つとして、際立った存在感を見せている」と話す。
ハイパーオートメーションによって企業は、業務プロセスのうちの1つのタスクだけを自動化するのではなく、プロセス全体の自動化に取り組める。業務のデジタル化プロジェクトにハイパーオートメーションを取り入れれば、従業員の力のみに依存するよりも事業の拡張性が高まる可能性がある。加えて「従業員が退屈な反復作業から解放される」(ラブロック氏)。
ラブロック氏によると2022年は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)が始まって間もない頃に保留になった、AI技術関連プロジェクトが復活する可能性がある。AI技術関連プロジェクトは、開始当初には成果がほとんど見込めない可能性はあるものの、継続することで成果が上がる可能性がある。
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