企業はデータセンターのサイズをどのように決めればよいのか。その際に基準とすべきなのは物理的な面積だけではない。もう一つ重要な要素とは何か。
企業はデータセンターを新設する際、自社の事業規模や事業内容に応じて最適なデータセンターの「サイズ」を考える必要がある。サイズといっても、近年は仮想化技術によるサーバの統合が進んでいるため、「物理的な面積」というよりも「IT機器の密度」を基準にしてデータセンターの最適な大きさを測ることが重要だ。
データセンターの消費電力はIT機器の密度に左右される。データセンター業界団体AFCOMは、データセンターにおけるIT機器の密度を「low」(低)、「medium」(中)、「high」(高)、「extreme」(超高)の4カテゴリーに分類している。企業はこれらを参考にすれば、データセンターの最適なサイズを決めるためのヒントが得られる。
企業は仮想化技術を採用すれば、データセンターの面積を増やさなくても、サーバやストレージのリソースを増やせる。とはいえデータセンターの物理的な大きさを、やはり考慮しなければならない。データセンターの面積と部屋数は、どこに、どのような機器を設置するかを決める上で欠かせない判断材料になるからだ。
データセンターの最適なサイズは企業の業種によって異なる。だがサーバやネットワークの構成、ハードウェアの種類がデータセンターのサイズに影響するのは、全ての企業に共通している。例えばメインフレームを使っている企業は、クラウドインフラ用の大規模データセンターを作らなくてもよい可能性がある。
既存のデータセンターを拡張する場合は、サーバの統合や高速処理技術の導入によって密度を高めることができる。データセンターを増築せず、コンピューティングの向上が図れるわけだ。
後編は、大規模データセンターと小規模データセンターのそれぞれのメリットを考える。
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