レガシーシステムなら「小規模」が正解? データセンターの“理想的な大きさ”とは面積だけじゃないデータセンターの「サイズ」選び【前編】

企業はデータセンターのサイズをどのように決めればよいのか。その際に基準とすべきなのは物理的な面積だけではない。もう一つ重要な要素とは何か。

2022年03月25日 05時00分 公開
[Allyson LarcomTechTarget]

関連キーワード

UPS | データセンター | インフラ


 企業はデータセンターを新設する際、自社の事業規模や事業内容に応じて最適なデータセンターの「サイズ」を考える必要がある。サイズといっても、近年は仮想化技術によるサーバの統合が進んでいるため、「物理的な面積」というよりも「IT機器の密度」を基準にしてデータセンターの最適な大きさを測ることが重要だ。

 データセンターの消費電力はIT機器の密度に左右される。データセンター業界団体AFCOMは、データセンターにおけるIT機器の密度を「low」(低)、「medium」(中)、「high」(高)、「extreme」(超高)の4カテゴリーに分類している。企業はこれらを参考にすれば、データセンターの最適なサイズを決めるためのヒントが得られる。

レガシーシステム運用の企業はなぜ、小規模データセンターで十分なのか

 企業は仮想化技術を採用すれば、データセンターの面積を増やさなくても、サーバやストレージのリソースを増やせる。とはいえデータセンターの物理的な大きさを、やはり考慮しなければならない。データセンターの面積と部屋数は、どこに、どのような機器を設置するかを決める上で欠かせない判断材料になるからだ。

 データセンターの最適なサイズは企業の業種によって異なる。だがサーバやネットワークの構成、ハードウェアの種類がデータセンターのサイズに影響するのは、全ての企業に共通している。例えばメインフレームを使っている企業は、クラウドインフラ用の大規模データセンターを作らなくてもよい可能性がある。

 既存のデータセンターを拡張する場合は、サーバの統合や高速処理技術の導入によって密度を高めることができる。データセンターを増築せず、コンピューティングの向上が図れるわけだ。


 後編は、大規模データセンターと小規模データセンターのそれぞれのメリットを考える。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia マーケティング新着記事

news170.jpg

AIの進化が加速する「プラットフォームビジネス」とは?
マーケットプレイス構築を支援するMiraklが日本で初のイベントを開催し、新たな成長戦略...

news029.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2024年12月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news166.png

2024年の消費者購買行動変化 「日本酒」に注目してみると……
2023年と比較して2024年の消費者の購買行動にはどのような変化があったのか。カタリナマ...