セキュリティ研修の成否は情報の伝え方に加え、そもそも「何」を伝えるかで決まる。実はカバーすべき内容はそれほど多くなく、4つのトピックを取り上げれば大丈夫だ。どのようなものなのか。
企業が攻撃による被害を防ぐためには、従業員のセキュリティ研修が欠かせない。しかし従業員の関心を引くセキュリティ研修を実施しなければ、学びの効果が十分に出ない恐れがある。企業はどうすればいいのか。中編「セキュリティ研修で従業員の心をつかむために欠かせない4つのポイント」は効果的なセキュリティ研修のプログラムを作るためのこつを紹介した。後編となる本稿は、セキュリティ研修で取り上げるべき4つのトピックに焦点を当てる。
効果的なセキュリティ研修を提供するために、内容を「どう使えるか」はもちろん、そもそも「何を伝えるか」を企業はよく考えなければならない。そこで、セキュリティ研修で取り上げるべき4つの重要なトピックを紹介する。
詐欺のメールを送って偽装URLをクリックさせるフィッシング攻撃は新しい攻撃手法ではないが、軽視してはいけない。Verizon Communicationsの調査によると、フィッシングメールは標的のシステムに入り込むために最も頻繁に使用される手段だ。2021年のフィッシング攻撃の数は、前年比で11%増えた(同社調べ)。企業はフィッシング攻撃の脅威を認識し、対策を従業員に教える必要がある。
上述のフィッシングメールは、人間の心理を巧みに利用して機密情報を入手する「ソーシャルエンジニアリング」の一つの手段だ。ソーシャルエンジニアリングには他にも詐欺の電話や会社訪問などさまざまな手口がある。セキュリティ研修ではそれらを漏れなく伝え、ソーシャルエンジニアリング攻撃を防ぐための対策を併せて教えることが重要だ。
安全なパスワードの設定は「利便性対セキュリティ」の永遠の戦いだ。企業は、パスワード以外の要素も認証に用いる多要素認証を使いセキュリティを高めようとしているが、多要素認証を利用できないシステムもある。そのため安全なパスワードの設定は、企業にとって極めて重要だ。従業員が複数のアプリケーションで同じパスワードを使い回すことは、攻撃を招きかねない。セキュリティ研修ではパスワード設定のリスクを伝え、アプリケーションごとに安全なパスワードを設定する重要性を強調しなければならない。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)が続いている中、安全なテレワークの実践は、企業にとって欠かせない取り組みだ。セキュリティ研修は、遠隔からの社内ネットワークへの安全なアクセス方法をはじめ、機密情報の保管や管理のルールを取り上げ、従業員に理解してもらう必要がある。
セキュリティ研修では最新の情報を伝え、従業員にセキュリティの理解を深めてもらうことは重要だ。ただし、その知識を日頃の業務で実践してもらうことがより大切になる。ハッカーの手口が目まぐるしく変わっている中、従業員も常に自分の行動を変えることが求められている。
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今や誰もが入手可能となったフィッシングツール。そこにAIの悪用が加わり、フィッシング攻撃はますます巧妙化している。本資料では、20億件以上のフィッシングトランザクションから、フィッシング攻撃の動向や防御方法を解説する。
セキュリティ対策チームの57%が人材不足の影響を受けているといわれる昨今、インシデントや脆弱性への対応の遅れが、多くの企業で問題視されている。その対策として有効なのが「自動化」だが、どのように採り入れればよいのだろうか。
年々増加する標的型攻撃メール。この対策として標的型攻撃メール訓練を実施している企業は多い。こうした訓練では一般に開封率で効果を測るが、実は開封率だけでは訓練の効果を十分に評価できない。評価となるポイントは報告率だ。
従業員の情報セキュリティ教育は、サイバー攻撃や人的ミスによる情報漏えいから自社を守るためにも必要不可欠な取り組みだ。新入社員の教育を想定し、伝えるべき内容や伝える際のポイントを解説する。
2024年の情報漏えい事故の傾向では、攻撃者による大規模攻撃の他、社員や業務委託先のミス・内部犯行によるケースも多く見られた。インシデント別の要因と対策とともに、今後特に重要になるセキュリティ意識向上のポイントを解説する。
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