Gartnerは人工知能(AI)サービスの普及を背景に、AIタスク処理に最適化されたサーバの需要拡大を見込んでいる。同社の調査結果を基にサーバ市場の動向を解説する。
調査会社Gartnerによると、人工知能(AI)タスク処理に最適化されたサーバ(AI向けサーバ)のニーズが旺盛だ。AI向けサーバの支出額は2025年、2020億ドル(約31兆2000億円)になる見込みだという。
Gartnerによると、サーバをはじめとしたデータセンターシステムへの支出は2024年、3290億ドル(約50兆8160億円)だった。2025年はAI向けサーバの需要拡大が追い風となり、2024年比23%増の4055憶ドルになる見込みだ。
AI向けサーバの主要な買い手は一般企業ではない。Gartnerバイスプレジデントのジョン・デビッド・ラブロック氏によると、AI向けサーバの需要をけん引するのは、巨大IT企業を中心とする「ハイパースケーラー」(大規模なデータセンターを運営する企業)だ。
ハイパースケーラーは、AI技術利用に最適化されたサーバを一部、IaaS(Infrastructure as a Service)やPaaS(Platform as a Service)など、各種クラウドサービスのインフラとして利用する。それに加え、「企業や一般消費者向けに提供するAIサービスのインフラとして用いることが増えている」(ラブロック氏)
AIサービスの提供に必要なのは、ハードウェアだけではない。AI技術利用を想定したソフトウェアの販売も活発化している。Gartnerは、ソフトウェアに対する支出額が2025年に2024年比14.2%増えると予測している。
2025年のデバイス市場については、支出が2024年比10.4%増加するとGartnerは予測している。PCベンダー各社が注力している「AI PC」(AIタスク処理に特化したプロセッサを搭載するPC)の販売拡大が寄与すると同社は説明する。Gartnerによると、PCベンダーはAI PCをプレミアム製品として位置付け、価格を従来PCより高く設定している。
AI PCは、デバイス上でAIタスクの処理能力を発揮し、AIサービス利用時のパフォーマンスを向上させるよう設計されている。場合によっては、クラウドベースのAIサービスの利用時に起こり得るデータ流出も防げると考えられる。今後は、企業がAI PCの価値をどう評価し、高価であっても導入に踏み切るのかどうかが焦点になりそうだ。
2025年の世界のIT支出全体は、2024年から9.8%増加し、5兆6100億ドル(約866兆5000億円)になるとGartnerは予測している。
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