IaaSへの移行作業中に発生する“見落としがちなコスト”IaaS移行にかかるコストを整理する【中編】

IaaSへワークロードを移行させる際、CIOは移行後の運用コストについて考慮する必要がある。コストを計算するときに見落としがちな要素とは。

2022年03月24日 10時15分 公開
[John BurkeTechTarget]

 オンプレミスインフラからIaaS(Infrastructure as a Service)へのワークロード(アプリケーション)移行計画を立案するCIO(最高技術責任者)は、IaaS移行にかかるコストを入念に計算しなければならない。そうしなければ、大幅な予算オーバーや移行計画の破綻を招く可能性がある。IaaSの利用料金だけでなく、計画段階と移行作業段階、移行後のワークロードやインフラの運用にかかる、全てのコストや担当者の作業時間を見積もることが必要だ。

見落としていない? IaaSの移行作業中にかかる3つのコスト

 実際のIaaS移行作業や、移行後の成果の確認など、移行に必要な作業はさまざまであり、それぞれの作業に担当者の時間を要する。例えば移行したワークロードが新しいネットワークインフラで適切に動作していることを確認するには、ネットワークエンジニアの支援が必要になる。ただし移行後の成果の確認で最も時間がかかるのは最初の数回だ。IaaS移行チームが経験を積み、インフラの改善や自動化の導入が完了すれば、インフラ管理にかかる時間は少なくなる。

 IaaS移行作業中にかかるコストとして、CIOはこうした作業時間に加えて、以下に挙げる3つのコストを検討するとよい。

  • 2カ所のシステムに同時に支払うコスト
    • 例えば稼働中の大規模ワークロードを移行させる場合は、移行元のオンプレミスインフラの運用コストを支払いながら、並行してIaaSのコストが生じる。
  • IaaSに全てのワークロードを移行させるまで維持する必要がある、オンプレミスシステムの災害復旧(DR)インフラのコスト
  • 移行作業に必要な専門サービスまたは新しいソフトウェアのコスト。

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