グリーン化を掲げ、IT機器を環境に優しい形で運用する動きは、ストレージとも無関係ではない。ストレージの電力使用量を低下させるこつを踏まえ、環境に配慮したストレージ運用を始めるためのノウハウを紹介する。
企業活動を支えるデータを格納するストレージは、企業のシステムに欠かせないIT機器だ。ストレージの電力使用量を考えると、環境保護に向けた企業の取り組みは十分だとは言いにくい。ストレージ運用に「エコ」(環境保護)の視点を取り入れるにはどうすればいいのか。前編「『クラウドストレージを使えば電力使用量を減らせる』は大きな誤解だった?」はエコの観点から見た、クラウドストレージの“盲点”を取り上げた。中編となる本稿はストレージの電力使用量を低下させるための具体策を考える。
環境に優しいストレージ運用を目指すためには、クラウドストレージの利用と、自社データセンターでのストレージ利用のミックスが有効だ。自社データセンターにストレージを設置すれば、当然ながら空調システムの稼働が必要になり、電力を使用することになる。ただし全体で見ると、環境への負荷を減らせる可能性がある。
ユーザー企業はクラウドストレージベンダーのサービスを使う場合、ベンダー各社がデータセンター運用に当たり、どのくらい環境に配慮しているかを確認するとよい。クラウドストレージベンダーが太陽光や風力、水力といった再生可能エネルギーを使用していることは決め手の一つとなる。それに加え、ユーザー企業の自社データセンターに再生可能エネルギーを取り入れられるかどうかを検討することも重要だ。
使用していないデータを削除することも環境に優しいストレージ運用につながる。ただしビジネス戦略やコンプライアンスの理由で、使わなくても残すべきデータがある。その場合、ファイル重複排除のソフトウェアを使い、データベースを“スリム化”させることが有効だ。
後編は媒体特性を踏まえた、ストレージの電力使用量の削減方法を解説する。
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