【連載コラム】医療ITの現場から
進化する電子カルテの入力支援機能
紙カルテにはないさまざまな機能を搭載する電子カルテ。導入クリニックの多くがそうした機能を利用して短時間でカルテを入力し、診察業務の効率化に取り組んでいる。
電子カルテならではの入力補助機能を使いこなす
電子カルテの導入を初めて検討している医師から「電子カルテを操作しながら多くの患者を診察することは難しいのではないか?」という話を聞くことがあります。
クリニックにおける電子カルテの導入率は約2割となり、今後も導入が増え続けることが予想されています(関連記事:診療所向け電子カルテ市場、2016年には139億円規模まで拡大)。既に電子カルテを利用している医師は、普段の診療の中でどのように使っているのでしょうか? 電子カルテには紙カルテにないさまざまな機能があり、多くの患者を診るためにそれらの機能を利用して「短時間でカルテを入力する工夫」を行っているようです。
セット化でスピードアップ
紙カルテの場合でも、医師は速く正確にカルテを記載するために工夫をこらしてきました。その代表例には「ハンコ」が挙げられます。「かぜの主訴」「セット処方」など、カルテに記載する定型的な入力内容をカルテに押印することで、カルテを素早く入力できます。
多くの電子カルテでは、ハンコと同様に「経過」「オーダー」「病名」などをセット化して入力を簡素化する機能を搭載しています。インフルエンザや花粉症など流行性の疾患の記載などに活用されています。
音声認識機能の進歩
また、キーボード入力を補助する機能として「音声認識」や「医療辞書」などの機能が近年進歩しています。医療以外の分野でも、携帯電話やカーナビゲーションなどでこの音声認識機能の活用が広がっています。かつて音声認識は、人によって入力精度にばらつきがありましたが、現在はかなり改善されています。今後さらに普及すると予想されます。
電子カルテの音声認識を活用しているクリニックでは、患者の主訴や医師の所見を音声で入力し、処方や注射、処置などのオーダー入力を一覧表あるいはセットから選択することで迅速で正確なカルテ作成を実現しています。
医療辞書で専門用語の誤入力を防止
また最近、医療辞書を標準で搭載している電子カルテも出てきています。通常の用語変換機能では医学、薬学、栄養学などの専門用語を正しく変換することに手間取ることもあります。医療辞書を使えば、電子カルテや看護記録、医学論文、資料・リポート作成などをスムーズに作成できるようになります。
さらに文例登録機能では、一度入力した内容を学習し、前後の入力内容を判断して最適な変換候補を表示します。患者への指導内容の記載や紹介状の作成などに利用されています。例えば、「しゅよう」と入力すると「腫瘍性低リン血症性骨軟化症」を、「あれんふ」と入力すると「アレンフラールカプセル250mg」と変換されるなど、変換が困難な医療用語も簡単に入力できます。
こうした入力支援機能は、医師の診療スタイルに合わせて使いこなせれば、これほど便利なものはありません。このように電子カルテは多くの技術を搭載し、診察業務を支援する最も身近なITツールとして利用されています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
【連載コラム】医療ITの現場から
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
次世代RPA「ハイパーオートメーション」が急成長か Gartnerが予測
-
4
会計ソフトウェア6製品を比較 自社に合う製品は
-
5
昭和大学病院がeICUを導入、ICUの患者情報を遠隔地で一括管理
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
「何から始めればいい?」 情報漏えい対策で悲鳴を上げる中小企業のリアル
-
8
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
-
9
私物iPad1台につき1300ドル増!? BYODに必要なMicrosoftライセンス
-
10
肥大化した「SFA」の沼 4カ月でBigQuery×AppSheetの新システムを構築した方法
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
4
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
5
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
6
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
7
ランサムウェア攻撃“究極の対策”はこれだ
-
8
サイバー脅威「トップ50」完全解説ガイド、新たな攻撃手法に対抗するには
-
9
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
10
生成AIの活用を阻む「5つの壁」とは? AIネイティブ組織へ変革を遂げる方法
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー