業務用モバイルアプリの調達手段を徹底比較
“世界に1つだけのモバイルアプリ”を一から開発? 「App Store」との使い分けを考える(2/2 ページ)
アプリを自社開発する場合の問題点
もっとも、カスタムアプリケーションが本当に必要とされるケースもある。そのような場合、iOS開発者やAndroid開発者を抱えていない企業は大きな難題に直面することになる。モバイルアプリケーション開発者に対する需要は非常に大きく、そうした開発者に掛かる人件費は非常に高いからだ。
モバイルアプリケーション開発基盤製品を提供する米Appceleratorと米調査会社IDCが発表した2014年度の調査報告書によると、「業務用のモバイルアプリケーションをタイミングよくリリースする上での最大の障害」として、IT意思決定者の41%以上、開発者の34%が「優秀なモバイル開発者を確保する難しさ」を挙げる。業務用アプリケーションを独自開発するコストは、さまざまな要因によって大きく異なり、その推定値は数万ドルから10万ドル以上と幅広い。開発会社に外注する場合は、コストはさらに膨らむ可能性もある。
一般公開アプリを導入する場合の問題点
既存のモバイルアプリケーションを購入して導入する方が、自社で開発するよりもはるかに簡単だ。ただし、この方法にもそれなりに問題はある。
自社で開発したモバイルアプリケーションであれば、モバイルアプリケーション管理(MAM)製品を使い、アプリケーション/データ管理やセキュリティ対策を社内のIT部門が実行できる。だが一般公開されているアプリケーションの場合はそうはいかない。一般公開されているアプリケーションの中には、複数のMAM製品で管理できるものもあれば、どれか1つでしか管理できないもの、どの製品でも管理できないものもある。
モバイルデバイス管理(MDM)製品を使えば、モバイルアプリケーションの導入先となるスマートフォンやタブレットに対し、常にある程度のセキュリティ対策や制御をすることは可能だ。だがMAM製品が提供するきめ細やかな管理を必要とする企業には、一般に公開されているアプリケーションの使用は大きなストレスになりかねない。
ハイブリッドアプローチと今後の展望
業務用モバイルアプリケーションの導入にハイブリッドなアプローチを用いれば、あまりリソースを費やさずにカスタマイズのニーズを満たせる可能性もある。企業向けソフトウェアベンダーの中には、一般的なタスクを実行する機能や、特定の業界に合わせた機能など、一部の機能だけを組み込んだアプリケーションを提供しているところもある。
こうしたモバイルアプリケーションを購入すれば、企業は自社固有の要件に合わせてアプリケーションを完成させ、その上で従業員向けに導入できる。このアプローチにも、ある程度の開発リソースは必要だ。だがこの方法は、企業がアプリケーションのモバイル化に踏み切るための後押しとなる。企業の負担を軽減するため、ソフトウェアベンダーがアプリケーション購入後の開発サポートを提供するケースもあるようだ。
一方では、アプリケーションを「リファクタリング」するという選択肢もある。WindowsやWebのレガシーアプリケーションに調整を施し、モバイル端末でも使いやすいようユーザーインタフェースを変更する方法だ。リファクタリングサービスを利用すれば、コーディングがほとんど、あるいは全く不要な場合もあり、開発者やIT管理者の他、エンドユーザーでも対応できる。
将来的にはコンテナ化技術を使い、一般公開されているモバイルアプリケーションに機能を追加したり、カスタマイズしたりできるようになるかもしれない。現在、コンテナ化は主にアプリケーションに新しい管理機能やセキュリティ機能を追加するための技術だが、MAM製品のベンダー各社は機能の拡張に取り組んでいる。今後、公開アプリケーションをコンテナ化する上での技術面とライセンス面の課題が解決すれば、全く新しい可能性が開かれることになる。
社内にモバイルアプリケーションを導入するための選択肢は豊富だが、いずれの選択肢にも課題がある。企業は何としてもその解決方法を見つけなければならない。何しろアプリケーションは、ビジネスの今後の成功にとって極めて重要な要素なのだから。
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