IT基盤を総入れ替え
ケイト・スペード、ERPシステムのAWS移行を支えた「リーン」とは(2/2 ページ)
基幹システムを大きなトラブルなしで導入
2013年春に始めたシステムの選定を同年夏に終え、基幹システムのERP基盤として「Infor M3」を、導入ベンダーとしてジェーエムエーシステムズ(JMAS)を採用した。
Infor M3については、アパレル業界での豊富な実績や、ユーザー目線での使いやすさ、ほぼノンカスタマイズで使えること、日本国内でのサポートが受けられることが選定理由となった。一方のJMASについて、竹林氏は、システムだけでなくネットワークも含めワンストップショップで対応できる点、業務要求への理解力が高かった点、AWSでのインフラを提案してくれた点、米国親会社に対して英語で対応可能だった点を挙げる。そして、何よりも「キーユーザーからの評価が高かった」(竹林氏)という。
現在は、Infor M3やファイルサーバ、BI、ADなど全てのサーバをAWSで運用している。AWSと米国親会社、各店舗の間は閉域網でつながっている。
「ミッションクリティカルなシステムをクラウドで構築、運用することに大きな懸念はなかった」と竹林氏は説明する。例えば、セキュリティに関して言えば、AWSは既に多くの第三者認証を受けているし、企業での導入実績も豊富だ。大規模なセキュリティ事故も起きていない。パフォーマンスに関しては、多様なスペックを選択でき、柔軟かつ迅速に変更可能だ。ネットワークについてもSLAで保証されており、設計面で工夫すれば不安を払拭できるという。コストの点においても、オンプレミスの場合と比べて、初期費用を大幅に圧縮した。
「基幹システムを大きなトラブルなしで導入できた。私の経験上、これは非常にまれなケースだ」と竹林氏は今回のプロジェクト全体を高く評価する。AWSとInfor M3の導入により、システムの柔軟性と迅速性と、業務の自動化と効率化を実現した。竹林氏は、プロジェクト成功のキーポイントとして次の4つを挙げた。
「さらなる企業価値向上のための基盤が整った」(竹林氏)。今後はオムニチャネル、店頭でのIT活用、ビジネス多様性の向上、データ分析の強化などを検討していく計画だ。
「クラウドを活用してさらなる企業価値の向上を目指していけるのではないかと楽しみにしている」(竹林氏)
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