タスク機能で伝達漏れを無くす
Skype英会話のレアジョブが「社内Skype」をやめた理由(2/2 ページ)
情報共有の効率化とコミュニケーションの促進に効果が
レアジョブでは、チームや案件、役職など、さまざまなカテゴリ別にChatWorkのグループを作成し、コミュニケーションを図っているという。中には、技術共有や英語勉強、子連れエンジニアといった仕事以外のテーマのグループもあり、いろんな話題が日々飛び交っている。「導入前には社内全体でコミュニケーションが少なく静かだったのが、雰囲気が変わりました」と菊地氏は話す。ツールの変化が、従業員の意識変化にもつながった形だ。
こうした新たなツールの定着は、社内でツールの使用を推進する人がいなければうまくいかないことも多い。今回の場合、前職でChatWorkを利用していた菊地氏および山田氏がツールの推進役を買って出た。両氏共に既にChatWorkの使い方は熟知しているので、社内で使い方が分からない人がいても、すぐに2人でサポートできた。「どんな疑問にも答えていたので、初めて使った人も安心して使えたようです」と菊地氏は言う。
また菊地氏は、ChatWorkの機能をうまく生かし、コミュニケーションが促進されるようにも努めたという。「ニュース共有のグループを作り、自分でもちょっとした情報やニュースを共有するようにして、気軽に使える雰囲気作りをしました。その結果、コミュニケーションは活発になりましたし、今ではオンライン/オフラインを含め、ささいな会話が増えました。社内の人の特徴もよく分かるようになり、楽しい職場になっています」(菊地氏)
もちろん、本来の業務でもChatWorkは効果を発揮している。ChatWorkではクラウドにチャット履歴がログとして残っているので、途中からグループに参加しても過去ログが確認できる他、ログ検索も可能だ。そのため、チャットにリアルタイムで参加していなくても、必要な情報はChatWorkでさかのぼって確認できる。「全員が一次情報にアクセスできる場ができたことで伝言ゲームはなくなり、情報共有が円滑になりました。意思決定も以前よりずっと迅速になりました」と山田氏は話す。
山田氏は、実際にコミュニケーションにかける時間がどれほど削減できているか計算してみたという。例として、4人いる従業員がそれぞれ別の情報を持っていて、その情報を他の全員に伝えたいものの、スケジュールが合わず全員で集まって会議できない場合を想定する。4人がそれぞれ他の3人に、10分ずつかけて自分の情報を一方的に伝えるとしよう。その場合、他の3人への情報共有にかかる1人当たりの所有時間は30分だ。4人の総所要時間は120分になる。
ChatWorkを利用すれば、コミュニケーションの場を1つにまとめることができ、情報伝達にかかる時間を短縮できる。4人がそれぞれ10分ずつかけて、自分の持つ情報をChatWorkに書き込んだ場合、4人が情報共有にかける総所要時間は40分で済む。つまり、ChatWorkを利用しない場合と比べて総所要時間が3分の1になる計算だ。この計算をした山田氏自身、「体感的にもそれくらいの効率の良さを感じています」と述べている。
「以前は意思決定が遅いだけでなく、決定後に内容が変更されることも多々あり、非効率でした。それが、全社的にコミュニケーションがオープンになった今では、伝達ミスも確実に減りましたし、手戻りが発生することも少なくなり、スピード感も出ています」(山田氏)
今後はフィリピンとのコミュニケーションにも利用
現在はフィリピン子会社でのChatWork利用者は一部に限られているというが、「1つの案件に海外メンバーも入って開発するといった取り組みも進めているため、今後はフィリピン子会社での導入を拡大したいですね」と菊地氏は話す。「今はフィリピン子会社のメンバーとは、ChatWorkで仕様の共有やTo Doリストの確認など必要最低限のことしかしていません。もっとチャットのやりとりを増やしてお互いの性格が分かるようになり、円滑なコミュニケーションができるようにしたいと考えています」(菊地氏)
レアジョブは、セキュリティのリスクを考慮し、社内のクライアントPCからのみChatWorkを使うルールを設けている。チャットワークが提供している現状のプランではIP制限やアクセス制限ができないこと、また会員制サービスを提供するレアジョブでは個人情報を扱う業務が比較的多いからだ。そのため、今後はIP制限やアクセス制限ができる、チャットワークとKDDIが共同開発した「KDDI ChatWork」の使用を検討しているという。これにより、従業員がどこからでも安全にChatWorkのチャット内容を確認できるようにする。
またレアジョブは今後、国内でも管理部などChatWorkがあまり浸透していない部署での積極的な活用を推進する考えがある他、ビデオ通話が可能な「ChatWork Live」も試したいという。さらには、「システム部で利用している他のツールとの連係も検討中」と山田氏は述べており、今後も同社でのChatWorkの利用はさらに拡大しそうだ。
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