根強い人気の「BlackBerry」も比べた
徹底比較:モバイルOSのセキュリティ機能、「Windows 10」「iOS」「Android」の底力は?(2/2 ページ)
BlackBerry
BlackBerryのブランドは特定のビジネスユーザーの間で根強い人気を誇っている。今でもモバイルOS市場で高く評価されているのは、モバイルOSで最高レベルのセキュリティ機能、エンタープライズレベルのメールやメッセージングだ。タッチスクリーンに対応する動きは遅く、開発者との関係も希薄である。このことが、市場シェアに大きな悪影響を及ぼしており、同社の存続も危ぶまれていた。だが、斬新な機能を備えたスマートフォン製品を発表することで進化を示した。
BlackBerryは金融サービスや医療など、厳しいセキュリティやコンプライアンスの規制がある業界では卓越した存在であり続けている。「Priv」でAndroid端末を製造する計画や、エンタープライズモビリティ管理(EMM)プロバイダーの米Good Technologyを最近買収したこともプラスに働くだろう。
Android
2015年にGoogleはエンタープライズモビリティに関する幾つかの重要な発表を行っている。その1つは、Google Playアプリストアのエンタープライズバージョンとなる「Google Play for Work」だ。Google Play for Workにより、従業員の端末にあるセキュアな業務用コンテナから企業向けアプリへのアクセスが可能となる。
また、「Android for Work」の導入により、コンテナは個人データと企業データを分離できる。メール、連絡先、カレンダー、Web、ドキュメントへの安全なアクセスが保証される。また、Androidにはセキュリティ機能が欠如しているから企業のモバイルコンピューティングのプラットフォームとしては不適切だという意見に反論することが可能になった。ただし、Android for WorkではGoogleが承認したサードパーティーのEMMベンダーを使用して、デバイスの企業プロファイルを管理しなければならない。Good Technologyを除くティア1のEMMベンダーは全てGoogleとうまく提携しているが、統合のレベルはさまざまだ。
「Android 5.0(Lollipop)」には、デバイスにインストールされている全アプリのファイアウォールとして機能する「Security Enhanced Linux(SELinux)」が搭載されている。Android上のSELinux(通称、SE Android)は、ユーザーがダウンロードするアプリを隔離して、潜在的なマルウェアがOSにアクセスできないようにするアクセス制御システムを構築している。
「Android 5.1」にはApple製品と同様のデバイス保護機能が搭載されている。ユーザーが適切なGoogleアカウントにログインするまで、工場出荷時の状態に初期化した場合でもデバイスのロックは解除されない。この機能は、スマートフォンが盗難や紛失に遭った場合に必要なセキュリティ層である。次期OSの「Android 6.0(Marshmallow)」に搭載される最も的を射たセキュリティ機能は、開発者がアプリに指紋認証を組み込めるものだ。
Googleは米Divideを2014年に買収することで、コンテナ化、暗号化、デバイス管理の機能をAndroid内に構築できるツールを手に入れた。さらに、Android for Workによって、他のAndroidメーカーが企業への導入に適したデバイスを開発できるようにサポートしている。韓国Samsung Electronicsの「KNOX」頼みだった状態から脱却している。マルウェアに対する脆弱性は依然としてAndroidの問題点だが、GoogleはIT部門によるデバイスの管理や保護を強化している。このことは、企業向けモバイルOS市場のシェア拡大につながるだろう。
MicrosoftのWindows
Microsoftは「Enterprise Mobility Suite(EMS)」に関連するメッセージング機能の向上に注力してきた。EMSには、「Microsoft Azure Active Directory Premium」によるアプリのIDとアクセスの管理機能、「Azure Rights Management Services」による暗号化と認証ポリシーの施行が含まれる。その中核を担うのは「Microsoft Intune」である。Microsoft Intuneは、ユーザーの端末にある企業向けアプリへのアクセスをIT部門が制御できるようにするクラウドベースのEMMプラットフォームだ。EMSで重要なのは、「1ベンダー、1契約、1 SKU」というMicrosoftが宣伝する価値提案を実現することだ。
「Windows 10」も企業にとって重要だ。特に「Windows Hello」の機能は、指紋認証、虹彩認証、顔認証によるWindowsデバイスへのアクセスを実現することでセキュリティが向上している。また、「Microsoft Passport」の機能により、追加のパスワード認証なしで、アプリ、Webサイト、ネットワークにアクセスできる。故意または不注意で他人と共有され得るパスワードの必要性を減らすことで、ハッカーがユーザーのデバイスや情報にアクセスする可能性も低くなる。それから、「デバイスガード」という機能も追加されている。この機能は、未承認のアプリをブロックすることで、マルウェアに対するセキュリティを強化している。
モバイルOSを安易に決定してはいけない
サポートするモバイルOSの選定には、デバイスとアプリの管理、プライバシー、ユーザーの同意などに関する最良のアプローチを選択するという重要な決断を伴う。これらはこの先もずっと優先順位の高い課題として付いて回る。また、市場におけるデバイス台数の増加により、企業は無数のモバイルOSに迅速に対応する必要に迫られることになるだろう。
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