激しさを増す3大モバイルOSの戦い
iOS、Android、Windowsでビジネス向けに最適なOSは? 無謀なる問い掛けの結末
「Android」「iOS」「Windows Phone」のうち、あなたの会社に最も適したモバイルOSはどれだろうか。企業向けのモバイルOSを検討する際、各OSの長所と短所を熟知しておくことが重要だ。
あなたの会社に最も適したモバイルOSはどれだろうか? IT専門家のマイケル・トマソン氏は先ごろ、「Android」「iOS」「Windows Phone」の3種の主要モバイルOSについて、それぞれの長所と短所を論じた。
企業向けのモバイルOSを検討する際、各OSはそれぞれ違うスタイル、長所、短所を持った人に例えて考えることができる。
iOS、Android、Windows Phoneを人に例えると?
米AppleのiOSはスーツをビシッと決めた都会派、米GoogleのAndroidはパンクロッカー、米MicrosoftのWindows Phoneはカジュアルな服装のビジネスパーソン――。そう話すのは、米ジョージア州で病院やクリニックを大規模に展開しているEmory Healthcareの主席システムアーキテクト、マイケル・トマソン氏だ。
トマソン氏は、2014年7月にボストンで開催された「BriForum 2014」の講演で、これらモバイルOSの違いを論じた。同月発表された米調査会社Gartnerのリポートによると、2014年の世界全体のスマートフォン/タブレット出荷台数は24億台と推計され、Androidが11億台、Windowsが3億3300万台、iOS/Macintoshが2億7100万台を占めるという。
トマソン氏はこの講演で、各OSの特徴を次のように語った。
iOS
AppleのiOSは、スーツにネクタイというイメージだ。Apple製ハードウェアだけで動くので、GoogleやMicrosoftよりきっちりとまとまっている。「iPhone」は操作も管理も統一されており、トマソン氏が「アップルガーデン」と呼ぶ快適な環境の中で完結している。
「もし自分がモバイル端末の管理を担当するとしたら、知らない端末より、よく知っている端末の方がいい」とトマソン氏は話す。
ただ、一貫性が高い分、価格も高い。いわゆる「アップル税」だが、トマソン氏は、「それを払えば、非常に洗練されたユーザーエクスペリエンスを手に入れることができる」と述べた。
2014年秋にリリース予定の「iOS 8」には、企業向けにIT管理者用の各種管理オプションも用意されているという。ただし、その実力については、IT管理者の観点から見ると、まだ多くの問題点が残っている。
Android
iOSがしゃれたピアノバーで優雅な夕べを過ごしそうなのに対し、Androidは地下の薄汚れたライブハウスで夜を楽しむ方が似合う。だが、完全にオープンソースの“モバイルLinux”であるAndroidプラットフォームも悪くはない、とトマソン氏は話す。
GoogleのAndroidはさまざまなハードウェアで動作するので、安いエントリーモデルを選ぶこともでき、他のOSより端末の選択肢がはるかに多い。
「(Android)タブレットを選ぶなら、『iPad』ほどの品質は望めなくても50ドルから入手可能だ」とトマソン氏。
Androidでは豊富なアプリケーションを利用でき、ウィジェット(Widget)という機能もある。だが、ほとんどのAndroid用アプリケーションは「Java」で開発されており、他のOS用アプリケーションと比べると、ユーザーインタフェースは「外観と操作性にかっちり感がない」とトマソン氏はいう。
ハードウェアベンダーでありソフトウェアベンダーでもあるAppleと違って、オープンソースOSのAndroidの場合、ハードウェアベンダーからしかサポートを受けられないという問題もある。この問題は、PCで、企業が米Dellや米Hewlett-Packard(HP)といったハードウェアベンダーを通してしか「Windows」システムのサポートを受けられないのと似ている、とトマソン氏は語った。
企業においてはAndroidのフラグメンテーション問題(OSバージョンの違いによる外観や操作性などのばらつき)も懸念材料だが、Googleはその対策として2014年にリリースされる「Android L」に管理インフラを組み込む予定だ。
Windows Phone
Microsoftはデスクトップとモバイル端末に共通のOSを目指しており、それを避けてきたAppleとは違っている(ただし、「iOS 8」とデスクトップ用「OS X Yosemite」では新たな連係が予定されている)。
ハードウェアを「Microsoftらしく」統一していることは、WindowsモバイルOSの強みの1つだ、とトマソン氏はいう。企業の古いアプリケーションでよく使われているMicrosoftの既存テクノロジーとの連係もよいので、既存のアプリケーションをWindows Phoneでもあまり問題なく実行できる可能性がある。
ただし、Microsoftのモバイル事業は「市場への投入が甚だ遅い」とトマソン氏はいう。同社はNokia事業縮小のために大規模な人員削減を計画するなど、まだ不安定な状況だ。
まとめ
トマソン氏によると、OSの正解は1つだけではないという。品質や欠点はどれも似たようなものだが、最終的に企業が考えるべき重要な点は、ユーザーの満足度だ。
「ユーザーが求めるのはアプリケーションの使いやすさだ。早く市場に出した者が勝つとは限らない」(同氏)
企業がモバイルOSを検討する場合、アプリケーションあるいは端末の観点から見たユーザーのニーズ、それにコストとセキュリティの条件が重要な要素になる、とトマソン氏は語った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品レビュー
[Dropbox Japan株式会社] ランサムウェア対策で見直したい「復旧できるファイル基盤」とは? -
製品資料
[Dropbox Japan株式会社] さよならファイルサーバー クラウドストレージへの移行はこう進める -
比較資料
[セコムトラストシステムズ株式会社] 「EDR」選定ガイド:比較・検討フェーズで整理すべきポイントを解説 -
製品資料
[株式会社キーエンス] 過去にRPA導入をあきらめた企業こそ知っておきたい 失敗しない自動化導入術 -
製品資料
[株式会社キーエンス] 自分ひとりでデスクワークを効率化 「AI&ナビ搭載RPA」で実践する業務自動化
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
4
鹿島建設のDXを阻む「10年前のAWS」 安全性と自由度を両立したモダナイズ
-
5
IBM iのブラックボックス化を打破 資産継承と進化を実現する「IBM Bob」の実力
-
6
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
7
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
8
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
-
9
「有線LAN環境」に関するアンケート
-
10
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
3
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
8
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
9
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー