個人向けの次は法人向け市場
「社内にiPhone、iPad、Macがあふれる未来」にかけるAppleの新成長戦略(1/2 ページ)
決算報告では右肩上がりのApple。iPhone 6s/6s Plusも好調だが、さらなる成長のためには法人向け市場での普及が必須だ。Apple製品に慎重な法人ユーザーの対抗策としてAppleは二大メーカーと手を組んだ。
米Appleは、このほど行った決算発表で、法人市場を通じて一層の成長を目指す戦略にスポットを当てた。2015年度第4四半期の売り上げは前年同期比22%増で過去最高の約515億ドル、利益は約111億ドルだった。2015年度通期の売り上げは前年比27%増の2337億ドル、利益は約534億ドルを計上した。
米サンフランシスコで2015年9月末に開かれた米Boxのカンファレンス「BoxWorks 2015」で明らかにした通り、AppleのCEOティム・クック氏は、エンタープライズ関連事業が過去1年間で前年より40%多い年間約250億ドルの年商を上げていると説明した(関連記事:Apple ティム・クックCEOが語ったビジネス向けモバイルの“衝撃”)。同氏は、エンタープライズ関連事業を「未来へ向けた一大成長分野」と位置付けているように、モバイルエンタープライズにおけるiOS搭載デバイスの普及を今後の成長を実現するための切り札と考えている。
決算発表の電話会議でクック氏は、「エンタープライズ分野のビジネスは過小評価できない。それほどの年月をかけることなく静かに築き上げた250億ドル規模の法人事業が当社にあることは、あまり知られていないかもしれない」と語った。
この1年、AppleはiOSのリリースごとに、セキュリティ対策や認証、マルチタスキング対応など、エンタープライズ向けの機能強化を図ってきた。今後もそうした機能強化を続ける意向だ。クック氏も、もう少し集中的に行うと述べている。
「Appleの法人事業は長期的な動き」と解説するのは、米IT調査会社Moor Insights and Strategyの社長兼主席アナリストのパトリック・ムーアヘッド氏だ。「Appleは高級スマートフォンと高級タブレット、高級個人向けクライアントPCで独占的存在になり、全く新しいエクスペリエンスを導入できると確信した分野で成長し、利益を上げることを目指している。そして、エンタープライズビジネスも作り変えることができると同社は考えている」
「iPhone 6s」「iPhone 6s Plus」を発売した2015年9月を含む第4四半期の間に、Appleの収益は2014年の記録的なiPhone販売実績を上回り、この四半期中のiPhone販売台数は前年同期比22%増の4800万台を突破した。同時に「iMac」と「MacBook」の販売台数も前年同期より3%多い570万台を超えている。なお、米調査会社IDCによれば、PC市場は同四半期全体で11%縮小している。
Appleの決算発表で振るわなかったのは「iPad」の販売実績だ。5四半期連続の減少となり、iPad販売台数は990万台と前年同期より20%減少した。2015年11月には法人ユーザーに重点を置いた「iPad Pro」を発売する。
今のところエンタープライズ分野でのAppleの浸透率は低いものの、「それを深めるための重要な行動」を起こすとクック氏は明言している。
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