ビジネス使用が不安な理由
Windows 10の音声アシスタント「Cortana」、その“暗黒面”を心配する人(2/2 ページ)
どんな種類のCortanaコントロールが存在するのか
Windows 10のCortanaはクラウドサービスなので、ユーザーが仮想アシスタント機能を利用するためにはログインする必要がある。
Cortanaの機能を使うためには、ユーザーがMicrosoftアカウントとドメインアカウントを連係させる必要がある。たとえシステムアカウントがディレクトリ管理された企業のドメインアカウントであっても同様だ。エンタープライズ向けOS「Windows 10 Enterprise」搭載のクライアントPCで従業員にCortanaを使わせる組織は、ドメインアカウントを管理できる必要があり、ユーザーにMicrosoftアカウントの連係をしてもらう必要がある。
残念ながら、Microsoftアカウントと取り入れるためのデスクトップの構成は、必ずしも簡単ではない。例えば、複数ユーザーが1台のクライアントPCを共有する場合、管理者は、1台のクライアントPCに複数のMicrosoftアカウントを作成する必要がある。加えてアップグレードや設定の変更を防がなければならない。その設定をしないと、CortanaがそのクライアントPCで実行されているドメインアカウントに対して機能しないことがあるからだ。また、機能しないことが、余分なサポート電話やリソースの割り当てにつながる可能性もある。結果的に、マルチユーザーのクライアントPCでCortanaをサポートすることは極めて難しい。
Microsoftアカウントと、それをサポートするサービスを一切使いたくない組織のために、Microsoftは「Microsoftアカウントのブロック」というグループポリシー設定を用意している。これには、下記の3つのオプションがある。
- オプション「このポリシーは無効です」に設定した場合:ユーザーは、Microsoftアカウントを使ってCortanaなどの機能にアクセスできる。
- オプション「ユーザーはMicrosoftアカウントを追加できない」に設定した場合:ユーザーは、新しいMicrosoftアカウントを作成したり、ローカルアカウントをMicrosoftアカウントに変更したり、ドメインアカウントからMicrosoftアカウントに接続したりできなくなる。
- オプション「ユーザーはMicrosoftアカウントを追加またはMicrosoftアカウントでログオンできない」に設定した場合:ユーザーは、既存のMicrosoftアカウントでWindowsにログオンできなくなる。Microsoftによると、このオプションを選んだ場合、管理者はシステムにログオンしたり、システムを管理したりすることができない。
だがMicrosoftアカウントのコントロールは全体の中の一部にすぎない。組織が従業員のMicrosoftアカウントとドメインアカウントの連係を認めても、Windows 10でのCortanaの使用は制限したいこともある。
幸い、Windows 10 Enterpriseの最新のアップデートで、Cortanaを制御するために新しいグループポリシー設定項目が多数サポートされている。
- Cortanaを許可する:デバイス上でCortanaを実行できるかどうかを決定する。
- 検索とCortanaで位置情報の使用を許可する:Cortanaで位置情報を認識した検索結果の提供を許可するかどうかを決める。
- Web検索を許可しない:デスクトップの検索枠からWebページ検索するかどうかを選択する。
- Webを検索しない、または検索にWeb検索の結果を表示しない:CortanaからWeb検索をするかどうかを選択する。
- 検索で設定される情報の設定:検索の際にBing検索と共有する情報を指定する。
更新版のWindows 10 Enterpriseと教育向けOS「Windows 10 Education」は、同OSからMicrosoftへのデータ送信を管理者が完全に無効にできる。Windows 10のエディションの中で、Microsoftにどの情報を送信するかを組織が完全にコントロールできるのは、この2つのエディションに限られる。
Cortanaを使うべきか、使わない方が良いのか
Cortanaのようなサービスを使えば業務の生産性が高まる。ユーザーはローカルリソースやWebベースの情報をより効率的に検索でき、タスクやスケジュール管理の効率性も高まる。だが、その生産性向上と引き換えに、Microsoftは大量のデータを収集する。最大限の効果を発揮するために、Windows 10のCortanaはユーザーが何をしていてどこにいるかを常時把握して、適合性とパーソナライズ性を最大限に高める必要がある。
Cortanaに関する組織の選択肢は明確だ。もしセキュリティ不安よりも生産性を重視するのであれば、Cortanaは使うに値する。だが全ての情報がMicrosoftに送られることを望まない組織は使わない方がいい。
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