Hitachi Data Systemsの著名CTOが解説
「管理者はすぐにいなくなる」、著名CTOが語るストレージの未来(2/2 ページ)
――HDSの現在のストレージと2017年の今ごろのストレージを比べた場合、大きく違ってくるのは何ですか?
ヨシダ氏 われわれは日立製作所とともに、「ソーシャルイノベーション」という全体的な企業戦略を進めています。この戦略の下で、「モノのインターネット(IoT)」に取り組むとともに、スマートシティの構築やデータセンター、通信、自動車業界への高度な洞察の提供を図っています。親会社の日立は、特定業種に関するノウハウを豊富に持っており、われわれはそれを活用してソーシャルイノベーションに関するソリューションを提供したいと考えています。われわれは「Live Insight for Telecom」というソリューションを持っており、これを利用して全てのトラフィックを監視し、最適化できます。われわれはデータセンター向けのLive Insightソリューションも持っています。データセンターはIoT環境だからです。どのアプリケーションにも、どのハードウェアにもログがあります。そうしたログを全て収集し、それらを対象に相関付けや分析すれば、システムの可用性を向上させることができるでしょう。消費電力や冷却電力の削減も可能です。もしシンガポール、香港、ロンドンにデータセンターを構えていても、われわれのソリューションでは、それらの全てのデータがクラウドにロードされます。ポータルを通じて、全データセンターの状況を一覧でき、それらのデータの分析もできます。
――ユーザーのIT部門に関してはどのようなトレンドを予想していますか?
ヨシダ氏 IT部門は過渡期を迎えています。全てのCIOが変革について、そしてIT部門がどのように変わらなければならないかについて話しています。ストレージ管理者やサーバ管理者、ネットワーク管理者が企業のIT活用をけん引してきた時代は過去のものになりつつあります。CIOは、クラウドイネーブルメントやアナリティクスといった分野の高度なスキルを持った人材を求めています。目下の大きな課題は、どうやってスタッフのスキルを再教育するかです。中には、新しいスキルを身につけてもらおうとしても、頭が凝り固まっていて、箸にも棒にも掛からない人もいます。
――ストレージ管理者が姿を消すまでにはどのくらいの期間がかかるでしょうか?
ヨシダ氏 そのような変化は、すぐに見掛けるようになると思います。私は数週間前、客先でのミーティングに出席しました。電力会社の顧客で、私はその場でCIOと会うのだろうと思っていました。ところが、CIOはいませんでした。会話の中で先方のITディレクターが説明してくれたのですが、彼らはOracleからSAPに移行しようとしていて、力を借りようと調査会社を雇いました。調査の過程でこの会社は、CIOは何も価値を付加していないと指摘しました。それから2週間もたたないうちに、CIOは退社に追い込まれたそうです。
私は後で営業担当者に、これは担当エリアでよくあることなのかと尋ねました。すると、他にも2つの組織でCIOの更迭があったといいます。1つは市役所、もう1つは小売業者です。
電力会社のケースでは、何か他のことも起こっていたのかもしれません。2週間は、CIOを辞めさせるまでの期間としては短いからです。もし変革を進めていないのであれば、それは危険です。
他方では、責任が増しているCIOもいます。こうしたCIOは「最高データ責任者」という肩書になっています。最高データ責任者は、分析と関連アプリケーションに責任を持ちます。このように、2つのトレンドがあるようです。1つは、CIOがコストセンターになっているケースで、この場合、CIOは退場することになりそうです。もう1つは、CIOがイノベーターとして活躍しているケースで、こうしたCIOは取締役に昇進したりしています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
3
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
4
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
5
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
6
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
-
7
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
8
「IBM iはDXのボトルネック」は誤解 意外と知らない今風モダナイズの効果
-
9
「朝8時にバッチが終わらない」データ爆発の危機をJPX総研はどう乗り越えたか
-
10
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー