「機械学習」「ビッグデータ」が変えるセキュリティ対策【第1回】
「ビッグデータ」を制する者がセキュリティを制する時代へ(2/2 ページ)
攻撃を知る
次に知る必要があるのは「攻撃」そのものだ。攻撃の実態を把握するのは、口で言うほど容易なことではない。攻撃者がどのような人物なのかを知ることさえ、一筋縄では行かない。攻撃者は同じ会社の一員なのか、日本と同じアジア地域にいるのか、それとも地球の反対側にいるのか――。その確定は容易ではなく、ましてや年齢や性別など知る由もない。誰でも利用できるように公開されているプロキシサーバ「公開サーバ」(匿名サーバ)がクラッキングに利用された場合、特定は一層難しくなるだろう。
ただし幸いなことに、サイバー攻撃はさまざまなところにその兆候が残る。クラッキングされたということは、世界の誰かが自社の端末やサーバにアクセスしてきたことを意味する。
兆候を見つけ出す上で参考になるのが、米国の航空機メーカーLockheed Martinによる「サイバーキルチェーン」という考え方だ(参考: Lockheed Martin「Cyber Kill Chain」)。サイバーキルチェーンは、標的型攻撃における攻撃者の一連の行動を7種のプロセスに分類している。これらのプロセスの単位で兆候を調べ、異常時にはプロセスを分断することで実害の防止につながる。
- 偵察
- 武器化
- デリバリ
- エクスプロイト
- インストール
- コマンド&コントロール
- 目的の達成
「ビッグデータ」がセキュリティを変える
攻撃と防御の両面を知れば百戦殆うからず、となるのだろうか。実のところ、この両面を組織的、体系的、技術的に補っている企業は、極めて少ないのではないかと考えている。すべきことが分かっていたとしても、実現することは難しい。最も価値があるはずのセキュリティ対策ほど後手に回ってしまう。
サイバー攻撃を認識する方法とは何か。複雑に構築されたネットワークやシステムの状況をどのように理解すればよいのか。多数のセキュリティ製品群で構成されるセキュリティシステムを、運用する企業側が手動で操らなければならないのだろうか。こうした課題を解決する糸口となるのが、セキュリティ製品や各種システムが日々生み出すデータの活用である。
「データを制するものがセキュリティを制する」。近年、そうした考え方に基づくセキュリティ技術とその技術を利用した製品が台頭し始めている。セキュリティに関連するかどうかを問わず、企業システムには人海戦術では対処できない量のデータが存在する。こうした大量データをセキュリティ対策に生かそうという動きが活発化しつつあるのだ。
次回以降は、こうした大量データを生かしたセキュリティ対策の可能性や課題を深掘りしていく。
執筆者紹介
矢崎誠二(やざき・せいじ) Splunk Services Japan
1999年からインターネットセキュリティに特化した事業、サービスに専任で携わる。セキュリティ黎明期から、脆弱性と不正侵入検知の分野を中心としたセキュリティコンサルティングサービス事業に参画する。セキュリティ監査およびペネトレーションテストを日本のさまざまな企業に提供するとともに、IDアクセス管理、アプリケーションセキュリティ、SIEMを含めセキュリティフレームワーク全体のソフトウェアに関する技術支援を遂行する。近年はビッグデータにおけるセキュリティ分析に従事する。
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「機械学習」「ビッグデータ」が変えるセキュリティ対策
「ビッグデータ」「機械学習」といった技術の活用で、セキュリティ対策の在り方はどう変わるのか。技術や製品分野の変遷を振り返りながら、その実像を探る。
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