気になる「BlackBerry OS」の行方
悪手ではないBlackBerryのAndroid端末投入、管理ツールでまさかの巻き返しか
BlackBerryは、2015年11月に初のAndroid端末を発売した。それに対して「BlackBerry OS」はどうなるのだろうか。EMMベンダーとしての同社の最新状況と併せて紹介する。
BlackBerryのGoogleが提供するOS「Android」のスマートフォン市場への参入は、業績不振の同社が多くの企業ユーザーを引きつけるのに役立ちそうだ。
2015年11月にBlackBerryは、初のAndroid端末「BlackBerry Priv」が発売した。このことを受け、BlackBerryが独自モバイルOS「BlackBerry 10」(BB10)に完全に見切りをつけるのかどうかが取り沙汰されるようになった。同OSは市場で低迷している。ばっさり切り捨ててしまえば、BlackBerryは新興のAndroid端末ベンダーとなるとともに、強みを持つ「エンタープライズモビリティ管理」(EMM)製品に注力できるようになる。
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エンタープライズモビリティ管理(EMM)に関する記事
BB10の苦戦ぶりを考えると、Androidに全面的に乗り換えるのは、BlackBerryにとって最悪のアイデアではないだろうと、HillSouthの創業者でCEOのロビー・ヒル氏は指摘する。同社はITコンサルティング会社でBlackBerryのパートナーだ。
「Blackberry OSの存在感は低下の一途(いっと)をたどっている。企業による対応アプリの開発が鈍化しているからだ。モバイル端末を支給されるのではなく、ユーザーが自分で端末を選ぶ現在のエンタープライズITの世界では、対応アプリが幅広くそろった強力なOSだけが生き残る」(ヒル氏)
統計ポータルのStatistaによると、Androidの対応アプリは現在160万本で、米AppleのiOSの150万本をわずかに上回り、モバイルOSの中で最大のアプリエコシステムを誇る。BlackBerry OSの対応アプリは5位の13万本にとどまる。
BlackBerryのAndroid端末の“ウリ”とは
BlackBerryは、BB10の開発をずっと前に打ち切っていればよかったと、非営利団体のTri-Counties Regional CenterのCIOを務めるドミニク・ナムナス氏は語る。同センターはBlackBerryの顧客だったが、2008年にiOSに乗り換えた。
「AppleのモバイルOS『iOS』ユーザーやAndroidユーザーがBlackBerryに乗り換えることは、めったにない。乗り換えるのであれば、乗り換えの負担に見合ったメリットが必要だ。われわれはiPhoneに一気に切り替えたが、それはそれだけのメリットがあったからだ」(ナムナス氏)
それでも、BlackBerryのブランドは広く認知されており、それはBlackBerry製品のセキュリティの高さのおかげだ。これは同社のAndroid端末が顧客を引きつけるための差別化要因になる可能性がある。
「OSが何であれ、安全な端末を提供する企業となることが、BlackBerryの活路を開くはずだ」と、J. Gold Associatesの創業者で主席アナリストのジャック・ゴールド氏は指摘する。「消費者が、AndroidベースのBlackBerry端末を購入の選択肢と位置付け、この端末がこれまでのAndroid端末よりも安全だと納得すれば、彼らは購入するだろう」
BlackBerryのジョン・チェンCEOは2016年1月に同社の公式ブログで、BlackBerryがBB10の開発をやめることはないと強調し、2016年にBB10を2回アップグレードする計画を発表した。しかし、BlackBerryはAndroidスマートフォンの新モデル投入も予定している。チェン氏は、「BlackBerry 10への投資を継続する」と述べたものの、BB10端末の新モデルの計画には言及しなかった。
EMM強化を進めるBlackBerry
「BlackBerryの低迷しているスマートフォン事業は古い話題だ。同社はもはやスマートフォンメーカーというよりもEMMベンダーだからだ」と、BlackBerryのパートナーであるTenet Computer Groupの戦略提携担当ディレクターを務めるリック・ジョーダン氏は指摘する。
BlackBerryは2015年11月に完了を発表した、4億2500万ドルでのGood Technology買収により、EMMベンダー大手としての地位を強化した。2016年1月にはGood Technologyと、2015年に買収したドキュメントと共有ツールを提供するWatchDoxの技術を自社のEMMプラットフォーム「BlackBerry Enterprise Service」(BES)に統合した。また、BES、WatchDox技術、Good Technologyのコンテナ技術を組み合わせた「Good Secure EMM Suites」も同月にリリースしている。
「Good TechnologyとBlackBerryのEMM製品はいずれも政府機関市場で強い。そのため、Good Technologyの買収はBlackBerryにとって大いに意味があった」とジョーダン氏は語る。
「EMMはBlackBerryにとって、スマートフォンよりも大きなものだ。BlackBerryは大規模な買収を進めてきた。買収先の技術を取り込んで製品の価値を高めることがBlackBerryの戦略だ。非常に理にかなっている」(ジョーダン氏)
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