高セキュリティだが……
BlackBerry子会社が新タブレットを発売、「その価格は驚くほど高い」
BlackBerry傘下のSecusmartはSamsung、IBMと組み、高セキュリティのタブレットを政府機関などに提供しようとしているが、その価格は驚くほど高い。
カナダのBlackBerryの子会社である独Secusmartが発売する新タブレットは、「iPad」に代わる非常にセキュアな、しかし高価な選択肢だ。
Secusmartは、ビジネスタブレット「SecuTABLET」の開発で韓国Samsung Electronicsおよび米IBMと提携した。厳しい法令や規則が適用され、セキュリティを重視する政府機関や企業向けに2015年夏の発売を計画している。
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ベースはGalaxy Tab S
SecuTABLETはSamsungの「Galaxy Tab S 10.5」をベースとしている。Secusmartは、高度な暗号化と電子的盗聴の防止を専門とする企業で、2014年にBlackBerryに買収された。
IBMは、SecuTABLET向けに安全なアプリラッピング技術を提供している他、政府機関のインフラにおけるSecusmart技術の実装を支援する。同タブレットでは、セキュリティが確保されている企業アプリに加え、「YouTube」や「Facebook」など、セキュリティが確保されていない一般向けアプリも利用できる。
SecuTABLETがOSとして「Android」と「BlackBerry 10」のどちらを搭載するかは明らかにされていないが、BlackBerryの広報担当者は、Androidタブレットになるだろうと語った。本稿執筆時点で、Secusmartからさらに明確な説明は得られていない。
BlackBerryはSecuTABLETについて、ドイツの政府機関における利用基準への適合認定の手続き中であり、この手続きが完了すれば、これらの政府機関で採用される見通しだと述べている。BlackBerryがタブレットを販売するのは、2011年に発売したものの不発に終わった「PlayBook」以来のことになる。
BlackBerryが自社のプラットフォームとサービスの企業導入を促進するには、新味のあるタブレットを投入する必要があったと、米IT調査分析会社Blue Hill ResearchのCEOで元CTO(最高技術責任者)のラルフ・ロドリゲス氏は指摘する。
「規制業種などで導入に弾みがつくだろう。これまで欠けていたBlackBerryのタブレット戦略が見えてきた」(ロドリゲス氏)
モバイルセキュリティに大きな不安を感じている企業は、デバイス上のデータと転送中のデータに加え、安全なアプリと安全でないアプリのどちらに送信されるデータについてもセキュリティを確保できる製品やサービスを求めている。「このタブレットの目玉は、セキュアなブートローダをはじめとするSecusmartの技術だ。同社の技術はOSをカーネルレベルで保護する」とロドリゲス氏は語る。
だが、そうした高度なセキュリティのコストは安くない。SecuTABLETは2380ドル程度で販売されるだろうと、BlackBerryの広報担当者は認めている。導入が進み、ロドリゲス氏は、Secusmartがこのタブレットを政府機関以外の市場にも広くアピールしようとした場合は、この価格が下がる可能性もあると予想している。
比較のためにiPadについて見ると、最も高価な「iPad Air 2」の容量128GバイトのWi-Fi + Cellularモデルでも、829ドルとなっている。
支持を広げたいBlackBerryとSamsung
BlackBerryとSamsungは、企業向けタブレット市場で米Appleと米Microsoftに差をつけられている。
米調査会社451 Researchの「ChangeWave Research」サービス部門が2015年2月に行ったIT担当者に対する調査(回答者1536人)によると、2015年4~6月期に社員用のタブレットを購入しようとしている企業のうち、購入予定の製品(複数回答可)としてiPadを挙げた企業は77%に上り、Microsoft Windowsタブレットを挙げた企業は22%、Samsung製品を挙げた企業は13%だった。中国Lenovo、米HP、米Dell、米Googleの製品を挙げた企業はいずれも6%以下にとどまった。
この調査結果の背景の1つは、Android OSのセキュリティに関する懸念が根強いことかもしれないと、451 Researchのエンタープライズモビリティ担当リサーチディレクター、クリス・ヘーゼルトン氏は指摘する。
Androidでは、セキュリティの改善を目指す多くの取り組みが行われてきており、例えば、その成果の1つで、最近のデバイスで利用できる「SE Android」では、IT部門がきめ細かく高度なデバイス管理を行える。こうした取り組みは先頃、「Android for Work」プラットフォームとして実を結んだ。このプラットフォームは、モバイルワークスペース環境を「BlackBerry Enterprise Service(BES)」のようなエンタープライズモビリティ管理(EMM)プラットフォームと直接連携させる。
また、ヘーゼルトン氏はこう語る。「ChangeWave Researchの調査結果は、ユーザーからの人気を反映している面もある。多くの人はAndroidタブレットよりもiPadが欲しいだろう」
さらに同氏は、「BlackBerryがビジネスタブレット市場に大きなインパクトを与えるには、研究開発費を投じて独自の全く新しいタブレットを生み出すよりも、他社と組む方が理にかなっている」とも語っている。
SecuTABLETの開発は、SamsungとBlackBerryの新たな提携の最新の展開だ。両社の提携は、BlackBerryが2014年に発表した「セキュリティフレームワーク『Samsung KNOX』が動作するSamsungデバイスをBESで管理できるようにする」協業から始まっている。
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